時間を掛けて、俺はそれを解体する、もう暴れることはない、俺に手を掛けさせることは…もともと、そんなにたいした手間じゃなかった、背後から延髄に一撃、それだけでよかった、意識のないままの悪あがきが、数 ....
川の
流れるを見て
今日もまた
一日
生きたんだね
と思う
見えていないから指先に触れて
輪郭を描く
知りえないものを
自明と思い込み
書き足さなければならない線など
もうないと
絵の具を塗る
好きな色
みなさんにお馴染みの色
私だけに
見 ....
あらしが去ると
いびつな たくさんの傷ものが
辺りいちめん埋めつくすから
さきに ゴミを散りばめておいたのだ、として
誰も彼女を責めたりできないと
今日もぼんやりしたかおのRさんは言う ....
けんけんぱらん
けんぱらん
みぞれ落つ昼
とんとんとんとんとん
だれもいないやね走る
甘いお茶
ちっとも
おもしろくない午後だったのに
いま ....
迷子になったらしい女の子が
泣きながら走り去っていった
のを何もせず見送っただけの僕だ
何もしないなら
心を痛めても意味がない
つくづく僕みたいな
不審者だと思われたくない教の信者や
関 ....
愛ゆえに
あなたを、許さない
そんなわたしを、許して
陽のあたる場所がすこしずつずれてきた
おとのないふゆ
そらの色はぜんめつし、
、、、
青なんていわないでいいのだ 透明のかさなりであろうと、
もうそれ以外のな ....
海水浴場で父を洗っていると
監視員さんがやってきて
ここは海水浴をするところです、と言う
洗っている、といっても
石鹸もシャンプーも使ってないし
水を身体に濡らすところなどは
....
現代ならば夜行列車ではなく、
夜行バスに乗っていく。
でも誰も、
銀河バスなんていう奇妙なものは思いつかない。
(あ、毛糸で編むのを忘れた)
(あれはあなたのための毛糸だったのに)
車窓に ....
赤は一番派手な色
身体の内をめぐる色
目立たぬように歩みを運んでも
一皮むけば飛び散る血潮
命の滾る熱の色
だから、
冷たい振りなどするな
表情を捨てた仮面を被るな
撫でれば悶え、 ....
わだかまりが
嫌で
夜を歩くのです
わかってもらえない
プライドを捨てて
夜を歩くのです
すべてを終わらせるために
生きてきたわけではない
夜を歩いて
たどり着いたコンビ ....
女子の 体だけならお金で買える
体だけでいい
心はいらない
男子の 体だって買えない事はない
体だけでいい
心はいらない
結婚と言う契約には経済が重要な役目を果たしている
結 ....
その二枚か三枚かの舌が造る世界が
あなたには本当なんだとしても
私には無縁の世界で
{引用=窮屈そうな
言葉たちをほどいて
その向こうの空を見る
さよならさえも言えない
あの人は ....
行きの道ばかり考えて来た
あなたが帰る時を知らないまま
白い手紙に色を混ぜる朝
私の気持ちが青空になる
会えないのに手を振って
目を合わせたような光は
先のことなんて照らさなかった
あ ....
24個の光が
鼓動する
キャンバスの上でまわる
それは時間だ
キャンバスの中では
今日と夕陽が混ざり
遊び疲れた赤い河が流れる
そして娘の声が空気遠 ....
僕は今夜
晩年に娼婦の肖像を描く
マネの孤独の深さを知った
今宵 彼のアトリエを訪れる
ボードレールとマラルメの
美を語らう声が聴こえる
――汝のいる風景の〝今〟を視よ
....
過ぎて去ってしまったから過去。
未だ来ていないから未来。
過去へと下る河は人の記憶の中を流れ
未来へと上る河は人の夢の中へと流れ込む
懐かしさに帆を孕ませて
舟は下り
わくわくに胸 ....
尊敬でもなく憧れでもなく
ただ
その人がいてくれてよかったと思う
恐れ多いな
地球の歴史の一時代がチバニアンになったんだって
二回繰り返すとやばいんだって
....
平安の黄昏に鐘がなる
カラスの恋人は
ひとつの影になる
朱色の柱に漆喰の鳳凰
牛車の轍のあいだに小さな花
明日は踏まれてしまうだろうか
子供たちは雀のように
無邪気に巣に帰る
ひと ....
花咲く音が聞こえたら
それは妖精の歌
花びらに書いた聖書
波のように繰り返す
光る風の笑い声
コラールの旋律
ミツバチは音譜を持って
蜜と交換に出かける
闇や苦しみをどこに置いてゆく
お前がここまで引きずって来た物だ
お前が担いで持ってけよ
朝陽が昇る場所
....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ動き澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ
決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し ....
女だけが真の愛をしることができる。
超人とは女であるから。
女は、男より人生に対してはるかに情熱的だ。
あなたは本当に人生生きてきましたか?
香りたつ白檀。
君の香り。
....
熱を舐める
終電すぎ 汗のすべりが
愛の五月蝿さをおしえてくれる
置いていった本のように心が
かなしくひかる
こんなにも
あなたの
ばかげた
世のなかが晴れていた
ことばが ぼくの目のなかで
すばやく動いて よくは見えない
たいくつな愛のように夜がきてほしい
あなたの胸にいつしか溜 ....
サイコロにもう一面加えた
物体を
積み上げたその
屋上に立っている
風は適度に
産毛を撫でる
乾いたシャツが余計で
もっと濡れていたらよかったのにと
ドライアイ
瞬きの度
次々 ....
ガラス戸越し縁側に
いろとりどりの風船が
あちこちと横たわっている
今にもふわり浮きそうな
楽しさの余韻
あかいろあおいろきいろ
丸々ふとっちょわははと笑う
膨らませてうーんと膨らませて ....
園児たちがかけっこ夢中
先生混じってゴールで転げたまね
車がそろそろと動き出すと
粒々いっぱい手のひらいっぱい
バイバーイバイバーイ
バイバーイバイバーイ
嬉しさいっぱい
さよならいっぱ ....
スズメが電線にとまって
自然と文明の調和みたいだ
すべてのことが
こんな風であればよいのに
この土地のスズメは
山に巣があるのだろうか
では都市のスズメ
たとえばニューヨークの
スズメ ....
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