叶わなかった人を呼ぶ名前に
瞼を腫らす涙が
膨らんだ蕾のような思いを
逆さまにしたままぶら下がってる
まつ毛の上の蜃気楼に
擦り抜けてしまう人の身体を
いつかは触れて覚えていたいよ
永遠 ....
明日が待てない僕の足
進んで 進んで
掴んだのが君の腕だった
見つけた希望に
気付くことのできない鈍感さを
君は鼻で笑ったけれど
あの時の僕は
明日に執着して ....
コーラ、その黒い炭酸飲料が
泡をたて、音をたて
カフェインをわたしの脳内へと誘う
その1つ1つの泡の中には
きっとわたしの中の
鬱憤、憤り、怒り、悲しみが
こもっているのだよね
....
空っぽのパーティーの肉料理
こんもりとぶ厚い太腿
276,000回のキッスと
体裁のよいオードブル
雑誌のポケットにしまわれたゴシップ記事
インデントされたままの挨拶文みたいなラブレ ....
木立ちを抜けていくのが
私たちの木立ち
だからすっかり抜けてしまうと
教室がある
先生は、と先生が言うと
先生は、と復唱する私たち
やがて始業のチャイムが鳴り
つまりそれは
....
だだっ広い雪原の片隅
柏はカラカラと葉を震わせ、
息苦しさを覚えるほどに白い小径を
雪焼けした子供たちが駆けていく。
チリリ
チリリ
チリチリ
チリリ
....
雨が降っている
今年の冬は雪が降らない
鼻から空気を吸い込む
冷たくて
頭が洗われるような感じ
心なしか目もシャキッとする
きれいだ
口から空気を吸い込んでも
分からないだろう
鼻は ....
眼が在り映り凝視し続ける眼に
脳裏の戦場の消えない殺し合いか
眼前の草むらの子供らの激しい絡み合いか
展開され焼き付けられるその光景
草むらの草いきれも
左足にぐるぐる巻かれた包帯の ....
この街にも いつの時代にも
優しさを宿した瞳は見つめている
みんな人だから
その心の傷口をつつむように
ひとこと優しい言葉を
投げかけたいと
そう思っている
きっと
混沌と ....
お寿司のネタは常にネタバレをしている。
シャリの上にて堂々とネタバレをしている。
朽ち果てて老いて行く
この骨肉をひきずり歩く日々
肉体があるから
しんどい
この幕屋をいでて天に行きたい
主のふところに抱かれて休みたい
弱さ 愚かさ 罪深さに泣くとき
近くにい ....
何かが終わる人も始まる人も
無条件に襲われた風を結んで
肩から掛ける鞄を持っている
初めて身体が側にあることを
ひとりになって分かるまでは
花の形が匂いを近付けて
だるまさんのように転んで ....
プレパラートと実験室
ハサミの形をしたコウモリが
逃げ出した。
そいつは
闇に馴染みながら、
すいすいと夜を裂いた。
研究者たちは
議論するばかりで
探し出そうとは
しなかった。
....
忘れられない最終の恋を
たいせつな思い出にするなんて
自己愛が強すぎる女みたいで
ちょっと引いてしまう
陽はまた昇るから
新しいまっさらな真っ白な心で
前を向いて恋をしたって、いいんだ ....
つづら坂のてっぺんが赤く燃えて
曲がり角のそれぞれに暗がりが生まれる
それがくねくねと蛇のように眼下の町へ
影法師が一組
手前の角の煙草屋の暗がりからあらわれて
穏やかな夕日にそっと目を ....
オフェーリア
って誰って聞きながら
シャツを着る
君のことだよ
って聞こえたかどうか
ってぐらいの朝
唐橘って
何のことだよって
容プラ出しながら
悪い気には ....
風の啼く方へ
耳を澄ますと
それは風ではなく
死にかけたじいさんの呻き声だった
───一事が万事そんな感じだ
いつの間にか
線香臭い空気が
ジワジワ周囲に
まとわりつくようにな ....
テレビで紹介されていた中華の店の
たまたま近くにいたので
楽しみにしながら
地図を見ながら行ったら
定休日だった
真っ赤な見た目なのに
そこまで辛くないらしい
ラーズー麺なるものを
....
蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと途絶え
薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる
傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま
格子戸の向こうに開ける界
二体 ....
昼が翻る。
靴が覆る。
夜が、甦るときに。
ひとつの風景の動きが
瓶に詰められてゆるやかに
はっこう、していく
風景は酵母となり詩情とざわめき
月明かりが窓から注がれて神々の手が
攪拌を始めれば乳白色の神話の海になる
言葉に ....
僕が女の子だったら
君はともだちになってくれる?
僕が男の子だったら
君はともだちになってくれる?
僕が大人だったら
君はともだちになってくれる?
僕が子供だったら
君はともだち ....
風が語りかけます
という詩的なフレーズからも
白い饅頭しか連想できない
埼玉県民の悲しき性に
想いを巡らせつつ
北風に逆らってペダルを漕ぐ
世の中とちょっと
気が合わないだけの今日
あっ
腰の骨が
ポッキッと折れた
神経が暴れる
立つことも這うことも
激痛が走る
大混乱に
つぶれた骨が怒鳴る
「愚か者!
粗末にするな
言い訳は聞かぬ
折れた骨は 戻 ....
この地上に生きていることでさえ
リスクをとらねばならない
哀しいけどこれが現実
人生にはどうしようもなく
哀しいことやつらいことがある
だからこそ
人に寄り添う哲学が必要
お腹と背中がくっついて薄い紙切れとなった僕。
北風に天国へ飛ばされ、祖母のぼた餅が食べたいな。
レコードが回り続けて
針の先で掻き混ぜている
コーヒーの湯気と一緒に
誰かを愛した記憶が旅立つ
もう随分と昔の話を
ずっと覚えて来たんだな
フライパンに落とす卵が
ひとつになっても崩れな ....
ひたすら迷惑とか言われてもね
君たちは僕の迷惑を考えたことが一度でもあったでしょうかと
これだけ同時に人がものを言えばそれはうるさい
かつては著名人だけが発信者であったころはまとまっていたも ....
時間は止まらない
止めてから
後に戻せない
だから
後悔が生まれるんだ
時間はなくならない
人それぞれに与えられた時間が
日々目減りしてはいくけれど
足らない
足らな ....
剥製を買ってオオカミの剥製を飾って
接ぎ目すら感じ取れない毛皮を撫でる
この世は継ぎ接ぎだらけの嘘ばかりだ
おべっかも愛想も
営業スマイルも苦手で
だけれど避けることも
出来ずに皆が笑 ....
667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.19sec.