それはデジタル時計の突然の疲弊
何の音もない空間に何の音もせず
徒に静止して何の表情も示さない
ごめんねの一言は喉から出ない
ごめんねの震えを喉ぼとけは感知しない
だってそれはデジタ ....
立ち行かぬことはなかった この現実
過去を見やりて ニヤリとする
なあんだという仕儀
多くを抱き 深くを確かめる
余裕などなかったが
何故か 何とかなるものだった
そんな風に 振り ....
満ちては引いていく
あなたの全年月
誕生も死もすべて含んだうえで
あなたは満ちてまた引いていく
火花が飛び散り雷鳴がとどろく
涼風が吹き小春日和が続く
四季折々の風景を包み込んで
すべて ....
使い方のわからない
キッチンのスパイス
去年の日付の賞味期限
クミンやカルダモンを
ゴミ箱に放り込んで
鍋の中には
ニンジンと玉ねぎ、じゃがいも
簡単に共感して
勝手に見切りを ....
スペースコロニーの波に乗って 見上げている
この星だけが生きている訳ではない 知っているよね
宇宙に一粒 私の一本線 神経の経由
死を迎える前に見てみたい 価値を置く最上段からの景色
人 ....
塩水を一緒に舐めたりして
舌がピリピリするような味は
いつまで経っても残るものだった
マンモスの足跡が踏んだ
地層のミルフィーユを崩すから
同じ石に躓いて泣けば
砂時計の中みたいだね
ふ ....
満月が雲に隠れて覗いてる
でも隠し切れない光の雨が
流星のように夜空を照らす
くるくると花びらが
回転しながら降ってくる
星のため息のように静かに
雪が溶けた隙間にそっと
星の種 ....
木立の枝に
雪が綿のように眠る
隙間から光がいくつも流れ
見上げる瞳に丸い虹がうかぶ
遠い宇宙に
星が生まれたよと
アネモネの妖精が教える
星の産声が聞こえたよと
遠い時間の
....
雪で埋め尽くされた森の
ずっと下から音が聞こえる
小さいけれど
響くような音が
野ウサギが立ち止まり
長い耳を立てて左右に振る
深いオークの森が
どこまでも神聖な
空気を漂わせ ....
メガネをかけて
世界を見てみた
良く見えすぎる僕の目に
霞む世界は新鮮で
濁った水の底の謎を
解き明かそうと必死になってしまう
このメガネで
君を見てみたよ
盲目的な恋が見えて
....
明日は風よ吹かないで
彼方から灯火を探しに
来る人のために
どんな言葉が出口を迷うの
苦しくても辛くても
終わりがあれば少しは楽なんだ
続いていく哀しみと歩いて
途中で帰れなくなる道が怖 ....
涙でぐしゃぐしゃなんだわあ。あなたがそうであるように、私もぐしゃぐしゃなんだわあ。結構な大騒ぎです。もう帰ってくるとむらさきぐものきれいな朝空が見える季節になってしまったし、私の古い恋なんてほんとにほ ....
それは疫病学の分野だが
これは心理学の分野である
恐慌状態に陥った人々との関係を?
マスクは実際の効果というよりもむしろ
{ルビ他人=ひと}を安心させるため
ひいては己の身を守るため
....
夕暮れの柳新田
家路の車窓から
不意に
更地になって
更地になった場所に気づく
確かに低木を植えた
黒板塀の民家か何かが
あったのだが
家路を辿る人たちを見て
娘がたどたどしく言 ....
音のない夜の声を聞いた
ぼくは密集して逃げようとしている影達のコートの揺れを聞いた
揺れる影の音はぼやけて拡散するので
ぼくはそれでは密集した意味がないと思いながら拡散していく
....
中国が日本人のビザ免除を
止めるとか何とか
言いやがっているらしいが
てめえの国から
世界中に巻き散らかしておいて
よく口が曲がらねえなと思う
こういう恥知らずなことを
平気な顔して言え ....
ちょっと耐えて
触れずにいた、かさぶたが
ぺりっと めくれ
新たな肌が日に照らされた
ほんとうは
回復しよう、しよう、としている
皮ふも 心も
まるごと
川の流れにゆだねた ....
仕事へ行く前に、駅前のドトールの2階の、
窓の広い、電線越しの空が見える席で、
ぼんやりしたり、本を読んだり。
毎日行くので、同じ時間に、
決まった人たちが、決まった席に座っている。
キ ....
最後まで奇跡は起こらぬことを、見届けるために
私は、あなたの背中を見送るために、
あなたの複雑な表情を永遠の別れの決意と解釈するために、
最後の時を過ごすセレナーデ。
私はだた将来手に入れられ ....
等間隔に立ち並ぶビルディング 一斉に変わるシグナル
巨大なターミナルから3.6秒のテレポーテーション
緑の溢れるプロムナード 清潔な空気の濾過装置
AIシステム搭載された最新型のメガロポリス ....
こんな春
まとまった
雨が降った
そう 無人
静かに墓石を掘り起こしに
目やにが
重ね合わさって
混ざりあって
黄色い洗面器に
雨だれ すくって
....
午後が落ちている
歩くのに疲れて
坂道を歩く
人だと思う
エンジンの音
やまない雨の音
降り積もる
昔みたいに
曜日のない暦
夏の数日
確かに生きた
覚えたての呼吸で
....
世界中に
菌を飛ばす新型ウイルス
子どもから年寄りまで
マスクを付けた顔は
目はぎろぎろ
口はむっつりと
知り合いでも疑い合う
品薄に並ぶ長い列
答えの出ない話し合い
中止に ....
人間なんて
生まれりゃ 死んじまうわけだし
今更うろたえてもしょうがない
旧式だの 新型だの
湯沸し器でもあるまいに
見よ
ぶた食い野郎らであっても
....
妖精と二人
青空の下を歩いてる
真っ白な田んぼが
どこまでも広がる
カラスがこっちを見てる
妖精が手を振る
耳元でささやき
肩に立って髪を編み
気まぐれに歌う
ポケッ ....
長い間ずっと
君は何を思っていただろう
僕は何もしていないから
長く果てしなく長く感じる
僕は君の愛に応えていないから
どんなに愛してもとどかない
なんと小さい人間だろう
一緒に ....
コーレアの妖精が
冬の夜にランプを灯して
寂しい心を探して
飛んでいる
暖かな色で
そっと寄り添って
想い出を探してる
恋の色を探してる
赤くふくらんだ
ワンピースから見える ....
唇が変形していくように
愛する人と折り紙をしたい
捻れた輪の中で掴む手首は
時計の針と反対に動いて
僕等は迷いを振り切って来た
恋に未来を背負わせるくらい
愚かに汚れた灰を被っても
一緒 ....
今日もひとりでいたわたしが死んでゆく
春になろうとしていることを目で捉え
そして触ろうとしたあなたの髪を
さらり、簡単すぎるほど軽くすり抜ける
ねえ、どうしてこんなにたったわたしの ....
あの日のプライドを思いだす
土手に そして 腰を下ろした友達を
土手の上に沈む夕日は
でも 違う街のものだったけれど
今もあいつは きっと変わらない
そう 僕は 時々 考えてい ....
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