太陽の中の受精卵が
笑ったり怒ったりしながら
こっちを見ている
(周期不安定な回転運動)
念仏を唱える君
私は狂ったように笑う
本当の暖かさを忘れた春が
待ちわびる正真正銘の ....
巨大な古木の湾曲は
幹から枝へねじれを伴い
陽光
葉から地へ
木漏れ日となる
朽ちようとも
折れ
枯れようとも
ねじれは残る
虫の子守り歌
ズズンと横倒れ
いびきをかく
....
僕はゴミを出しに行く
君は朝ご飯を作る
お互い家事を贈り合って
平凡な生活を稼働させている
僕は車の運転をする
君は行き先のお菓子屋さんを調べる
お互い労力を贈り合って
平凡な休暇を ....
しずかな雨音をさせながら
はじめての春にふる霧雨は
朝のおそくに目ざました人らに
つめたい感覚をよびおこす
寒々しい白色の{ルビ硝子=ガラス}戸のおくに
私の茶の色の{ルビ瞳=め}のただ ....
緑いろの丘々を撫ぜながら
思いがけない海からの風は
波たちの起こすさざめきをともなって
私たちの陽溜まりへとどけられる
草葉のかけらを宙に舞わせながら
精霊たちを目ざませながら
何もの ....
{引用=破傷風}
この世界を憂い悲しむ心は知らぬ間に
蜘蛛より細い糸で繋がっている
見たことも触れたこともない天の何処かと
教育によって与えられたのではない最初からあった
見えない傷口のよう ....
もちろんピンピン生きて
コロリと死にたいよ
できればビンビン生きて
スカッと死にたいよ
せめてヒラヒラ生きて
サラリと死にたいね
だけどヒーヒー生きて
ジワジワ死ぬのかな
朝を磨こう。あなたの朝でいいよ。それはとても蒸し暑い午後三時かもしれないし、泣きたくなるほどこごえる夜の二時かもしれないよね。でもそれが、それだけがあなたの朝。あなたはめをさまし、その瞬間から終わりに ....
春の詩集の、その綴じ紐をさ、ほどいてしまおうよ。
春はもっと自由に、毛布を干して、さぁ出掛けようよ。
私を、ここに居させてほしい。
ここが、好きなわけではないけど、
一番手近な場所だから。
何者でもない私を
どうか、踏みつけないでほしい
権利も義務も見えない目で
ただ、空を見上げている ....
真っ白なノート
何も無いスケジュール
空っぽの鞄
新品の靴
キラキラしているように見える
それらが
僕の背中を押した
ここから出て行く準備は
細かなスケジュールは
僕は最 ....
現実だったのかそれとも非現実だったのか
その思い出は曖昧でした
曖昧でぼんやりしていながら
自分の知らない内に
いつの間に記憶の紙面に刷り込まれていました
私はまだ小学校に通っていま ....
Ballet d'Homoncule
黃色い誤謬は牧場 卵形の奇景
不死者の猿 增加する尻尾は振動である
屋臺に轉移した天使
その指數はステ ....
嫌々仕事しても
楽しさはなくて
ストレスばかり
好きな仕事を見つける
好きな仕事をすれば輝く
長く続けていける
毎日楽しく続けられる
そんな仕事がいい
遣り甲斐があり成長も ....
お日さま沈む
斜陽のとき
いつのまにやら
くだり坂
過去は加工
してもいい
未来は見ない
ままでいい
世界は難しく
なりすぎた
生はなるべく
シンプルに
言 ....
私が見ている光景と
あなたがたに見えている事件は違っている
ということを
驚きとともに思い知る事がたまにある
でもあなた方が一斉に
同じ景色を見ているのだと思うのは
たぶん私の錯覚で
....
君がいなくなってから
影ばかり追いかけてる
誰も居ない部屋で
帰ってくるはずもない
君の足音を探してる
網戸に残る去年の
タンポポの種
タンスにしまったままの
一度も着ていない ....
時計の針が
あなたと私の間に
さよならを積み重ねていく
もう少し夢を見ていたいわ
命はあっという間だから
見つめていたいだけ
ぬくもりが時間の隙間に
隠れていくようでこわいの
....
夜空の色をした
深い紫色のスミレ
蝶の羽根のように
まるく薄いスミレ
空に生まれた雪が
大地深く濾過されて
一つの季節をかけて
根のストローにとどく
春の日差しに輝いて ....
風、が
向こうの山から降りてきて
体を抜けて
そしてまたあっちに流れてく
風の粒、のなかに
きっかけは無かった
駅も、バス停もない
親だけが、年を取ってる気がしていた ....
死んだ父が
殺された、という
名札をつけて立っている
その横をコンビニ袋に
かつ丼を入れた男が
実存の靴を鳴らして歩く
蛍光灯の下で
頭だけ照らされた女が
命について考えると
....
雨にも負けた
風にも負けた
せめて自分には負けまいと
思っていると見事に折れた
どうしょうもないので
笑ってる
レタスって
あの
苦味がすきなんです
雨降りあとの
鉄さびのような
あの
匂いもうれしいです
かさを
ぐる ぐる
回してみました
ぐる ぐる
ねこが
丸い手 ....
銅線で
脳神経を
キリキリと
縛り上げていく
のは快感だろうから
この春の夜に画策する
までもなく
渦巻くハンマー音の波
ラバー壁に弾き返され
夜半過ぎに獰猛な咆哮
で復讐を開 ....
君の健気さに心打たれたんだ。
こんなにまぶしい景色は見たことがない。
嗚呼、人生はなんてうつくしいんだろう。
真心の交わりに余計なちょっかいは出さないでほしい。
君の健気さに、 ....
兵隊蟻の隊列
ポテトチップスの欠片
吹く風、生暖かく
蹴散らせ!踏み潰せ!
整然とした生の営み
獰猛な死への傾き
俺は天を仰ぐ
二本の巨人の足となり
ひょっこり魔女がやって来て
箒でお掃除するでしょう、
帽子は中折れするでしょう、
夜はこれから更けるでしょう。
ビルの谷間を翔ぶでしょう、
その身を凍らすビル風は
魔性の心を呼び覚ます ....
星が見えないのに光を探し
誰もが抱えた夢に近い場所
地面が少しずつ高くなった
東京タワーの最上階から
靴紐であやとりをしながら
イルミネーションを作っているよ
街に贈る熱のような火が
丸 ....
とり急ぎ、という言葉を初めて聞いたとき
鳥も急ぐのだと思った
正確に言うと
へえ、鳥も急ぐんだ、と思った
それはユウコの初めての言葉だった
今思えばあの頃
鳥は皆、急いでいたよ ....
私は花のように
あなたのために咲いていたい。
星のように
瞬いていたい。
月のように
闇を照らしたい。
ただただそこにいたい。
ようやく晴れたこの恋の
海は虹色。
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