重力に左右される泡も
ほっ
と失う
ふっ
と抱きしめられたら
むにむに
したくなる
赤だか 青だか 緑だかの
こんごうぶつ を
人はなぜだか にじ と呼ぶ
それを
逃がすのはいつ ....
汚れているものなんてわからなくていい
わかった瞬間に汚れ始めるんだ
濁っている場所が心地良いなんて思っちゃいけない
濁ってればそれでよくなっちまう
どこに行っても
なにをしてても
悲し ....
唇に冬の終わりの匂いが揺れる
風を運んでくる妖精も
まいにち春の種を蒔く
畳の目一つづつ
陽が伸びてゆく
昼下がりの木陰も
少しづつ色が濃くなって
恋人の歩く道には
妖精が魔法をか ....
眠れない夜の真ん中で
僕は一人過去に入り込む
いつからだろうか
誰のせいなのだろう
どんなに探しても
考えてみても
夢の中で夢をみてるだけ
ひとつのゲームが終わりに近づく
過去の自分の ....
枝に置かれた
ぬいぐるみのように
ムクドリが並んで
眠っている
頬を寄せあって
頭には雪が綿毛のように
積もったままで
目を閉じている
ムクドリたちの巣は
雪を生んだあの雲
....
ざわざわと
視界を埋めて啼き騒ぐのは
梢で触れ合う
青葉たち
輪郭をなぞろうとすると
否定形しか使えない
あまりに崇め過ぎたから
信じるということが
見ないという事でし ....
コロナくんさよなら
さよならコロナくん
また逢う日まで
きみは僕の友達だ
この世は中国人だらけ
きみなしではとても
生きて行けそうもない
だけど僕は鎖国した
江戸時代以来の鎖国なんだ
....
元気でいてね
達者でね
どちらがいいか思案しつつ
祈るように思うのを
何と呼ぼうか
とか
書くからいけないんだろ
誰に愛されたいの ....
春のなかで
君は自由で
ちょっと涙があふれそう
空が
向こう側にむけて
ぎゅうっと伸びていく
薄まっていく
絡まっていく
ぼんやりと窮屈な春のなかで
君は自由で
ぼくは ....
どこだってお隣とは仲が悪い
隣の芝生は憎らしいほど青く輝く
本心では分かり合えない
だから仲良くしておく
それでいい
それがいい
公園に咲いている芝桜
みたらお互い和むでしょう
優しさ ....
小さな胸が弾けた朝に
生まれたてのメロディで
君を包んであげたくなる
些細な爆弾を受け止めて
答え合わせをするように
何かをこっそりと落としていく
気づいているのに知らないフリして
僕等 ....
目を覚ますと隣で寝息を立てている。時間になって起こしに行くとおはようと挨拶を返す。朝ご飯を作ってくれる。CDプレイヤーから流れる音楽に合わせて鼻歌を歌う。午前中に掃除や洗濯をする。午後は仕事に出かける ....
ほら
わらって
わたしみたいに
わらって
いたくないよって
わらって
わらったら
みんなしんじるから
わらえ
音もなく雨が
鳥の羽根に乗って
木立ちの枝を滑って
猫のしっぽにくっついて
雨はどこまで行くのだろう
楽しんでいるのだろうか
綺麗な雨がこぼれていく
誰か拾って下さいな
あなた ....
足元の春を越えて
いつもの朝が
バス停を通り過ぎて
橋の上から流れる朝日を見た
足元の蕾をよけて
春の色した風が
公園のベンチで休んで
明日は咲くよと言った
青空半分は宇宙の色 ....
九輪草の妖精が二人
空に手が届く山で
手をつなぎ
羽根を寄せあって
幸せそうに踊る
小さく可愛い桃色の花
虹で束ねたコサージュ
美しいドレスによく似合う
ゆっくりと
ささ ....
原初のもりのなかには
原初の夢があったのだろうか
生命ははじめて声をだしたときに
詩を綴っただろうか
曖昧な系統樹のはてに僕たちは
何の権利もないことを知るが
それが自由なのか ....
背中の影が
みえないかなしみを染み込ませて
笑ったら
朝になった
そんな
ちいさな窓からは
めにはみえない明るさが
すんなりと射し込んで
失った色を思い出させた
どん ....
今日、JAZZ喫茶映画館に集う僕等は
日常の仮面をそっと外す。
万葉の頃から続く〝言の葉〟への思
いを胸に秘め、見えない風に背を押
され、見えない糸に導かれ、この夕
べに集う僕等は一枚の ....
未完成な 時空ほど美しい
たとえばそれは 忘れていた
あどけない ことばにぃ しぐさにぃ
まるふぇいす ぼでぃでっばぐ
さぁ りいんすとぅーる しなきゃ
嗤え ....
「吐き出してしまえば、その場で楽になれる場所」として、ぼくは作られた。
誰かの口から出る汚物、言葉も想いも退廃物も全て受け入れるための便所。
ぼくは黙って暗い場所で口を開けていればよかった。 ....
人が沈む
沈むのに言葉はいらない
臭い肉体が一欠片あれば良い
沈む先が行き先
水底ならばそれだけで幸せなことだ
ただ沈め
美しい時代もある
酷い時代もある
すべては時代が理解してく ....
遠いどこかの占い師が引いたタロットカードの審判を、いたずら好きの風がさらっていった。
おもむろに彼は彼女の義眼にキスをした。
開け放たれた窓からいたずら好きの風が迷いこんできて彼女の細い髪 ....
いたみから
目を背けられない夜の月のような
白く甘いこどくと
カップの底に残ったままのココアは
あの手が握りしめたやさしい日々の
ちいさな祈りをいくつも
いくつもつないで
告げること ....
講堂前の桜が咲いても
読まれるべき人達へ
君の文章は届かずに散ってゆく
話すべきことも
聴かれるべきことも
触れるべきことも
抱きしめるべきことも
何もなく
散ってゆく
その ....
眠ると眠りの底に拡がる笑いの曲、全ては私の棺桶となるために存在しているのだ、螺旋状になった、壁紙を這い蹲っていく、全ての煙は上に上がり、全ての存在は下降し拡散する、あなたはただここに居ればいい、あなた ....
沈んだ果肉は今までの自分を
呼んだ声に気づいているのか
赤い窓から捨てた血を吸って
ストローの中でまたやり直せる
甘くてふざけたくなるのに
ドロドロとした液体で汚れた
唇を舐めて気を引きし ....
鰻が滑る滑り台
背から腹から
強化プラスチックの象
透明に子供の足形
無数
いくら踏まれようとも
登られようとも
笑っている
ブランコ
ブランコ
フラミンゴ
特殊な鳥は前世罪人だ ....
僕は桜の道を歩いたのだ
家に帰る時 桜を見ているふりをして
タワレコの前にCDを見に現れる 家に帰る時に
でも ああ 僕が歩いたことのある道を
僕は店の前に現れる タワレコの
そ ....
「せんせい」
僕たちがそう呼んだ
すべての人たちへ
せんせいたちが
愛し愛された
たくさんの教え子のなかの
最も従順で
素直だったあの子に
せんせいたちが
今日
後ろから刺され ....
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