日曜の朝
いや
もうお昼過ぎ
庭の椿が
妖精のように
障子戸に
影絵になる
コーヒーカップが
日時計のように
テーブルに
影を伸ばして
どこへ行くのと
僕に問いかける
コーヒ ....
工具箱に銃弾を一つ忍ばせている男になるべし。
大量のボルトやナットに上手く紛れ込ませるべし。
魔法をかけたのはあなた
とかないのはわたし
記憶が胸を確かめるんだ
いなくなった後から
思い出すのは何故だろう
ありがとうとさよならを
並べてゼロにしたくはなかった
電子レンジの音が主張する
寂しさを幸せに変えられず
ガムシロップ ....
たぶん30ぐらいの
白人の妊婦さんが
息も絶え絶えなのに
“コロナにかかり重篤になるのは
高齢者ばかりじゃない”とかなんとか
スマホで自撮りして
大変なところ人類のために
うった ....
{引用=旅行者}
その人は鶫のように帰って往く
旅行者だった
ほぼ全身が包帯でぐるぐる巻きになり
血と膿が染みている
新しいものに代えようと包帯を解けば
汚れた包帯は延々と続いて
やがて ....
雨の二乗から傘を差し出した
昨日はまるでヒーローみたいで
髪の毛の分け目を少しずつ
気にしなくなる今日は丸腰だ
日曜日を手のひらに閉じ込めるなら
四文字の方が綺麗に包める
その中で割れた夢 ....
気兼ねして言えない雰囲気も
立派なハラスメントなのに
何て言ったらいいんだろう
危ない危ない
ハラハラするから
ハラハラ・ハラスメント
縮めるとハラハラって
そのままじゃないか
....
偽物のイマジンが街を闊歩している
俺はガイガーカウンターを海馬に埋め込んで
徹底的に感染を拒否する
ヒステリックな世間の声
真剣さこそが真実だと
信じて疑いもしなかったやつら
パリコレ ....
神さま薄汚れた魂の
居場所はどこにあるの
嘘をつき尽くしたときの
あなたはどこか満足げに
涙が流れても
その味がにがければ
天使はやってこない
あなたは「不味い」から
打ち捨てられ ....
書くために神経をすり減らす
書きたくて
神経を研ぎ澄ます
書くために
時には誰かを殺し
書きたくて
自ら奈落に堕ちる
書くために集中し
書くために食べるを忘れ
書きたくて
....
いつから間違っているのだろう
いま死が人の姿で現れる
ぼくのいのちを守る為に
あらゆるいのち達から遠ざかる
ぼくという、みにくい外皮だけが
ここに残っている
先天的に強い虫と
先天的に弱い虫がいる
先天的に強いヒトと
先天的に弱いヒトもいる
先天的に強いオオカミと
先天的に弱いオオカミもいた
先天的強い羊と
先天的に弱い羊もいるか ....
花のひらく音が聞こえる
朝露に陽が落ちるような
庭に咲いた花を切る
母が好きだった花水木
母の真似をして
背の高い花瓶に
長い枝を挿してみた
学校にも持って行こうかな
友だ ....
好きだった人の家
レンギョウの生け垣の向こうに
あなたの部屋が見える
いつも通り過ぎて
部屋の窓を見てた
また春が来て
レンギョウが私の想いを
まるで知っているように咲く
香りをい ....
小手毬が咲いた
垂れ下がる花を
子猫が手を伸ばして
撫でている
花の声が聞こえない
雪の中で生まれたばかりの
子猫はこれから
たくさんの花と出会い
蝶と友だちになり
ミツバチと会話す ....
要らぬ物が部屋の片隅で圧迫し
果てしない程の膿が溢れて噴火した
要らぬ家具の類に家賃なんて払えない
要らぬ物 要ると聞かれ要ると答えたリス
トラは要らぬと云ったのに
意 ....
空気清浄機が夜を吸いこみ始めたから
眠たげな目をした太陽が今日も出勤する
夜はなんだか悪いような気がして
なにもしていないのにごめんねと謝るんだ
僕はその表情に僕を重ねて
洗面台の前でひとり ....
「苦悩」
あかはちしろはゆき
あおはそらみどりはもり
まぜあわせないままに
絵を描いたなら
それは誰の血でいつ降った雪か
だれの目に映った空と森か
それを描くのは誰の指で
けな ....
ここに朝が
ものしずかに
何くわぬ顔で
並びはじめる
暗い間は よくわからなかった
私たちの影が
それぞれにはっきりと
目に見えはじめる
それでもなお影が
あるのは事実ではあるが
....
忘れた人は
裏切者
そんな不文律の薫る口約束
春、音もなくみだれる
風のまにまに
結んだ蕾、桜色の唇
震えるように綻んで
ころしてやる
忘れたことも
居合わせたことも
....
首を絞められる夢を見る
そっと首に
誰かの手が触れる
のしかかるように力がこもる
顔は逆光に陰り
歪んだ口元だけが鮮明で
どんな復讐も
届かない過去の中から
思い出したように時 ....
スペースコロニーとかで
コロナウイルスなんか
流行っちゃったら流星だろうね…
一雨ごとに冷たい風が流れて
冷たい肩越しを
冷たい春の日がすぎてゆく
たるい気分でいられりゃい ....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く
久しく憧れ懐かしい
囁くような貴女の声は
やがて天空に力強く木霊して
飛び交う銀の矢を震わせ
降って ....
*
芝生の上で
むっくり起き上がる
一枚の落ち葉
長い間のしかかっていた重しが消え
身体も乾いた
深呼吸すると
葉脈の透けた胸にも
風が流れ込んでくる
もう一 ....
真夜中近く
巨大な目ん玉のお化け達
天を埋め尽くし
ピカピカピカピカ
青白く黄白くまた赤く
揺らぎ明滅しながら
迫って来る迫って来る、
大雪原に独りぽつねんと立つ私に
小学五年の私 ....
コウモリだか
センザンコウだか
知らないが
腹減ったからって
何でも食ってんじゃねえぞ!
お前らの
その意地汚さが
み〜んなに
迷惑かけてんだぞ
分かってんのか!
ああԁ ....
風が強いから洗濯物を追いかけて
綿毛が背中を撫でていく、さよなら
踏みぬいてしまいそうな青い草地を
蛙が春へと飛んでしまったから
ひとりきりで立ってます
スイカズラの甘い蜜を分けあっ ....
大きな旗を振れば
君はすぐに消えてしまう気がした
羽ばたいてゆく翼の前で
青いものは温度を忘れていく
空やスカートやさよならの言葉
貫いた心を保存している
ジップロックを開けたい時は
君 ....
テレビの声が 音楽みたいで
きみの沈黙が 言葉みたいで
ぼくの目は みたくなかった
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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