繰り返し
欠伸と不安のうねり、
繰り返し
安定剤と躁鬱のうねり、
あるモノあるモノ
切迫し
また夜が来て夜深まり
私の宇宙を横切って
闇夜の混沌流入し
指揮系統は不在
....
志村が死んだので
この歌を思い出した
若者はいつだってバカで
生に無頓着だから
部屋に閉じ籠れって言えば
外をぶらつくし
閉じ籠るなと言えば
いつまでも閉じ籠る
誰にも迷惑を掛けないで ....
夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれていき出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は
遥か彼方に飛んでいく
遠い過去と遠い未來、
今此処で円環し ....
黒ヒョウが出没したという
知らせが町を駆け巡った
獰猛な肉食動物であるから
外出は自粛するよう要請がある
学校は休校
大抵の企業も在宅勤務
スーパーマーケットには
当面の引きこもりに備え ....
最初はグー
いかりや長介あたまはパー
じゃんけんぽい
20分休みの教室
みんな元気に笑って遊んでいた
昨日の夜はTVの前で家族と笑った
風呂あがりの林檎ジュース吹き出しそうになった ....
詩病を患って久しい
いったい誰の詩を読んで伝染してしまったのか
今となってはわからない
いくどか再発と自殺未遂をループするが
扁形動物のように死なない
書かれた詩はそれを ....
空の注釈が剥がれ落ちる
滴の軌跡
硝子の筒
光が降るよ光が降るよ
そうふれまわる見えない子らが
誰かの虹に染まりゆく
報いを受ける時が来たのかもしれない
....
誰でも鈴を持っている
笑顔の波間や涙の余剰に
顔を見つけて幸せになろう
時を超えても場所を変えても
首輪をつけた人は丸くなり
何かを招くようなお手つきで
言の葉に包む鈴を流した
リンリ ....
まってどこへ行くの
私も連れて行って
風のしっぽをつまんで
ついていくどこまでも
金魚草が泳いでいる
風の水槽の中で
私は浮草になって見ている
いつまでも漂いながら
金魚の ....
流星が導火線のように
片想いを焦がして
やがて綺麗に輝く
宇宙に花火が咲いて
見上げるわたしに
小さな火花が落ちる
心に深く沈んだ灯火
恋の予感は
火薬の匂いがした
日曜の朝
いや
もうお昼過ぎ
庭の椿が
妖精のように
障子戸に
影絵になる
コーヒーカップが
日時計のように
テーブルに
影を伸ばして
どこへ行くのと
僕に問いかける
コーヒ ....
工具箱に銃弾を一つ忍ばせている男になるべし。
大量のボルトやナットに上手く紛れ込ませるべし。
魔法をかけたのはあなた
とかないのはわたし
記憶が胸を確かめるんだ
いなくなった後から
思い出すのは何故だろう
ありがとうとさよならを
並べてゼロにしたくはなかった
電子レンジの音が主張する
寂しさを幸せに変えられず
ガムシロップ ....
たぶん30ぐらいの
白人の妊婦さんが
息も絶え絶えなのに
“コロナにかかり重篤になるのは
高齢者ばかりじゃない”とかなんとか
スマホで自撮りして
大変なところ人類のために
うった ....
{引用=旅行者}
その人は鶫のように帰って往く
旅行者だった
ほぼ全身が包帯でぐるぐる巻きになり
血と膿が染みている
新しいものに代えようと包帯を解けば
汚れた包帯は延々と続いて
やがて ....
雨の二乗から傘を差し出した
昨日はまるでヒーローみたいで
髪の毛の分け目を少しずつ
気にしなくなる今日は丸腰だ
日曜日を手のひらに閉じ込めるなら
四文字の方が綺麗に包める
その中で割れた夢 ....
気兼ねして言えない雰囲気も
立派なハラスメントなのに
何て言ったらいいんだろう
危ない危ない
ハラハラするから
ハラハラ・ハラスメント
縮めるとハラハラって
そのままじゃないか
....
偽物のイマジンが街を闊歩している
俺はガイガーカウンターを海馬に埋め込んで
徹底的に感染を拒否する
ヒステリックな世間の声
真剣さこそが真実だと
信じて疑いもしなかったやつら
パリコレ ....
神さま薄汚れた魂の
居場所はどこにあるの
嘘をつき尽くしたときの
あなたはどこか満足げに
涙が流れても
その味がにがければ
天使はやってこない
あなたは「不味い」から
打ち捨てられ ....
書くために神経をすり減らす
書きたくて
神経を研ぎ澄ます
書くために
時には誰かを殺し
書きたくて
自ら奈落に堕ちる
書くために集中し
書くために食べるを忘れ
書きたくて
....
いつから間違っているのだろう
いま死が人の姿で現れる
ぼくのいのちを守る為に
あらゆるいのち達から遠ざかる
ぼくという、みにくい外皮だけが
ここに残っている
先天的に強い虫と
先天的に弱い虫がいる
先天的に強いヒトと
先天的に弱いヒトもいる
先天的に強いオオカミと
先天的に弱いオオカミもいた
先天的強い羊と
先天的に弱い羊もいるか ....
花のひらく音が聞こえる
朝露に陽が落ちるような
庭に咲いた花を切る
母が好きだった花水木
母の真似をして
背の高い花瓶に
長い枝を挿してみた
学校にも持って行こうかな
友だ ....
好きだった人の家
レンギョウの生け垣の向こうに
あなたの部屋が見える
いつも通り過ぎて
部屋の窓を見てた
また春が来て
レンギョウが私の想いを
まるで知っているように咲く
香りをい ....
小手毬が咲いた
垂れ下がる花を
子猫が手を伸ばして
撫でている
花の声が聞こえない
雪の中で生まれたばかりの
子猫はこれから
たくさんの花と出会い
蝶と友だちになり
ミツバチと会話す ....
要らぬ物が部屋の片隅で圧迫し
果てしない程の膿が溢れて噴火した
要らぬ家具の類に家賃なんて払えない
要らぬ物 要ると聞かれ要ると答えたリス
トラは要らぬと云ったのに
意 ....
空気清浄機が夜を吸いこみ始めたから
眠たげな目をした太陽が今日も出勤する
夜はなんだか悪いような気がして
なにもしていないのにごめんねと謝るんだ
僕はその表情に僕を重ねて
洗面台の前でひとり ....
「苦悩」
あかはちしろはゆき
あおはそらみどりはもり
まぜあわせないままに
絵を描いたなら
それは誰の血でいつ降った雪か
だれの目に映った空と森か
それを描くのは誰の指で
けな ....
ここに朝が
ものしずかに
何くわぬ顔で
並びはじめる
暗い間は よくわからなかった
私たちの影が
それぞれにはっきりと
目に見えはじめる
それでもなお影が
あるのは事実ではあるが
....
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