天上の下
長い棒の先で
赤い皿をくるくる回す
バランスを取りながら
回る力のある限り
右から左へ
開いた扇にも
人さし指にものせて
終わりに気が済むまでトスをする
のが
会話の ....
傷は鮮やかに
痛みはその次に鮮やかに
鬼蜘蛛の
運命の糸で できている
巣が軒下でほのかにゆれています
この巣に掛かっている命と
今夜もゆれている私は
私と居る
鬼蜘蛛の、
ひんやりとした歌に
やわらかい耳をかたむけている ....
君の旋律に僕の旋律を重ねる
和音が取れたり取れなかったり
美しいハーモニーとは程遠いが
ユーモアに満ちた不協和音が生まれる
君のリズムに僕のリズムを重ねる
互いに思いがけないところで
相手 ....
部屋に帰ると
カエルがのりのりでダンスしていた
俺のヘッドフォンまでしやがって
ユーチューブでマドンナとか聞いてやがる
カエルのくせに
カエルの趣味が自動でお勧めされるのか
肩を落とす ....
きみは何かをみつめていた 僕の中で
それを打ち消そうとひと息の風が揺さぶって
砂浜を歩く男と女を眺めたらそれはまるで映画のワンシーンのようだね
夢の中で喩えるならばそれ ....
形のないもの
捉えどころのないもの
けれどとても大切なもの
淡々と確実に
過ぎ去るもの
私の腕をすり抜けて
青空に溶けてしまう
大事な人も一緒に
連れて行ってしまう
どんどん遠く ....
[銀波]
あおじろいいのちが
誰かの胸にともる頃
あなたの耳のなかに
夕暮が入りこみ耳の
中で星たちはしみわ
たる水の音を聞き入
りながら瞬き始める
[tears] ....
イタドリ
への呼び掛け
イタドリ
からの応答
脳内に再現を試みる
すると現れる
囚われる
熟語
観念
の
繁茂
群生
侵攻
旺盛な生命力
厄介者
文字を消去して ....
朝焼けの地平線から
黄昏の水平線まで
絶えぬ恋の言葉を
青空に書き続けた
空はいつでも心の黒板
まだ残るあの熱く
薄紅色に擦った雲は
天使の黒板消しのあと
空を泳ぐ蒼色人魚の群れ
尾びれが咲くように
輪になって踊る
新月に花壇を飛べば
猫も振り返り
青魚だと追いかける
ここまでお出でと
妖精の笑い声
背の高い姫昔蓬に囲まれて
青空を握ったような
ブルーデージーの妖精が
鬼ごっこをする
飾り気のない草たちに
リボンを付けながら
水瓶座がこぼした雨を
ひとくちどうぞと
葉に置きながら
....
自分は肺炎を患いやすい体質らしい。それが孤独で
あることが好きな要因の一つになっているのかもしれない。
時間は自分に未来だけを予感させ陰湿に突っ立っている。
その美しい手は孤独ですか
....
この道を選んだ私の
誰にも知られることはない絶望に ほほえむ空舟は
複眼をもつ{ルビ蜻蛉=せいれい}の{ルビ櫓=ろ}を{ルビ漕=こ}ぐ。この櫓の羽の内部は
言葉を発した。
しかし
選べない ....
ひっそりと光るそよ風の縁にあなたと私がいる
道にできた卵形の水はにっこりほほえむ
世界と世界は手をつなぐ
星には星の、
草には草の、
虫には虫の、
鳥には鳥の、
人には人の、
世界 ....
街が抱いてくれない
寂しい午後でした
私は音符みたいに
橋の欄干で休んでいます
俯きながら
孤独と闘うために
黒い鍵盤を叩く人を
待っていたのに
ひとりでいることは
裸を見られるよう ....
ある日
雨が降りはじめた
それは400日やまない雨
すべてをリセットする雨だ
しかし
世界の富の大部分を独占する
大富豪や権力者たちは
事前にその情報を得ていた
途方もない金額で神 ....
夜更けに僕の勤務は始まる
夜明けに僕の勤務は終わらない
それとはあまり関係ないが
夜桜ばかりが散りかかる明治通り
では大正通りはないのかと考えたりするが
昭和通りはたぶん各地に点在 ....
そろそろ化粧をはじめなければ……
肉付いた太ももが張る。張るので痙攣をはじめる。
また 腸が泣き出した。
溜まった便の隙間からガスが漏れてくる。かと思えば三日後には便が止まらない。 ....
チリチリと薬缶が燃える
怒りで燃える
グラグラと蒸気が噴きあがる
焼けた石を何度も何度も投げつけられてベコベコに凹んでる
舌の根に酸っぱくて苦い味がいつもしてる
行き場のないやりきれなさ
....
北の地を放浪しても
得るものは老いた馬の
澄んだ瞳だけだった
若駒とともに嘶いたが
そのように走れなかった
鞄をひらきぶち撒けて
夢も希望も熱狂も棄て
敗残兵なりに鞄は軽く
....
眠りの横で願うとき
わたしの願いが
泥のように暗い
頬をそっと撫でたいとき
わたしのゆびが
泥を塗るように重たい
せめてわたしが
だれも傷つけないように
祈るとき
わたしの眠 ....
ふるい嘘を すてた日
体が軽くて
歩きにくかった
曲がっても曲がっても
曲がり角
街はらせんに伸びつづけ
かわいたパン くらいの
気持になって
飛び降りるとき
空は
わ ....
毎日つけているつがいのマスク
人間でいえばもう80歳くらいだろう
一日交代で洗っては干し洗っては干す
135回くらい洗っても毛羽立たない
どんどん肌になじんでいく
ほつれがないわけではない
....
淡く赤く
想い出のような
タイムの花が咲いた
妖精の足音が聞こえる
密やかに
ハープの音のように
私は眠れない星の子供
窓を少し空けたまま
香りをひとりじめして
夢の入り口を ....
お昼休みにだけ
あなたを見つめてた
あなたの借りた本を
いつも次に借りる
あなたの名前の下に
私の名前を書く
ただそれだけで
胸を熱くしていた
転校すると聞いた日
最後の図書 ....
雨上がりの夜
羽根を広げ
月の光をあつめて
命の継ぎ足しをする妖精
丸い雫がいくつも
次から次へと
クレマチスの葉に
泣いてるように流れていく
あした咲く花の色は
今夜の妖精 ....
古い手を繋いで来た約束は
一瞬の風の中を盲目にする
先へ進めないような不安さえ
スライドさせればマントになるよ
放課後を待つだけの時間に
目を細めながら夢を描いた
どこか遠くへ行きたいな
....
自称詩人が
自宅に引きこもるだけじゃ
いつもと一緒で変わんないだろ
それ以上のことをやんなきゃ
自粛になんないんだよ
うーん、そうだなあ・・・
自宅の押し入れに
閉じこもったまま一生出て ....
公平と平等
当然ある筈のものがなかった
肝心な人の命を計る物差しにさえ
公平と平等に目盛りが刻まれていなかったと
思い知らされた
それぞれの人には
それぞれの値札がついていて
....
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