集めた希望を花束に
流した涙を水瓶に
心踊る日々に清冽を
あらゆる悪業を踏み台に
星に立つ人は
あらゆる光を通し
その身をもって
御旗になる
ここは一つの通過点
宿命逆転の
....
憂鬱な空は
まだ残っているけど
雨は慎ましく止んだ
枝先からぽとんとひとつ雫が落ちた
顔に当たると弾けて飛んだ
ちょっと冷たいけど気持ちがいい
見上げると
沢山の雫の子供たちが
....
大勢の見知らぬ人々の中にいた
右も左も定かではない
私と同期することのない人々の中で
求めるものを待ちつづけていた
この見知らぬ運命たちの巣窟に
誰一人として私の運命に関わってこない場所 ....
しかし、ゼンマイじかけの閉めった途上にて
奥底を知る者は死に絶えたのだ。
ようよう立て続けに崩れ行く餓者髑髏の岩窟
掘っ建て小屋にてわらわらと這いまわるも終い崩れる桃源郷が催す
魂の姿見は ....
悪ガキども、武器を手に取れ、思考の虐殺を開始しよう、俺たちは衝動に従う、自分を突き動かすものを信じる、思考は時により、心を縛り付ける鎖になる、そんなものはもう捨てちまおう、俺たちは思考を乗り越えた ....
風になる
風は
見えないけれど在る
風は
わたしのほほをなぜる
無言の声だ
その声は
いつか
だれかのほほをなぜる
風
それは
雲を運び
山を越える
それは
木の葉をゆらし ....
だあってろこの金玉野郎
と
その助平野郎は言った
棚からぼた餅
一瞬耳が聞こえなくなったかと思ったが気のせいだった
砂漠に行った
時が来た
俺は未熟児
側から見ると出世 ....
東京湾を一望できる
マンションの一室で
ハワイアンミュージックをバックに
パンケーキとハーブティーの
朝食を味わいつつ
新聞記事を読んで聞かせる
「自粛で家にいる夫から
酷いことを言 ....
君がこの地獄から抜け出るには
あの番犬の目を欺かねばならない
番犬ケルベロスには三つの首があり
どれに噛まれてもおしまいだ
君は地獄の一員となり
周囲に恐怖を撒き散らす
一つ目の首は
....
あなたは
手のひらに触れて溶ける
初雪のような匂いがする
あなたは
手に触れるだけで染まる
初恋のような色が似合う
あなたと
手を握ったら温かくなる
心が一人じゃないと思う
....
夏が少し遅れて
影を踏んでついて来る
僕が一番好きなのは
春だと知って
遠慮しているのなら
シャクヤクの花をあげるよ
どんなに花びらを重ねても
足りない愛を
この花は知っているから
....
虹の女神イリスが
一人ぼっちの妖精に
虹の刺繍糸で編んだ
ドレスを着せて笑った
地上に降りた妖精は
刺繍糸を一本だけ
すっーと抜いて
オタマジャクシが集まる
楽しい池の畔に挿した
....
何か切りたいものはあるのかい
何か磨きたいものはあるのかい
こんな言葉じゃ通用はしない
夜の三日月が真面目だから
荒れ果てた芸術家のように
手首を切り落として忘れなさい
ナイフは平凡な朝の ....
胸が重く、水圧に慣れない深海魚のように苦しい
4月の人事異動で本社勤務になった
思い知ったのは自分の無能さだ
若い総合職の有能ぶりにさらされると、
優しくされるだけ骨身にしみる
ああ苦し ....
この世界に生まれた日
産声をあげた時に
空模様が晴れだったか雨だったかなんて
知らない
その時
何処かの誰かが私のへその緒を切ってくれた
その何処かの誰かの今の所在なんて知りようがない ....
狂った腐ったゴミ
少年の人生は始まりもせず終わった
なのに少年は生きている
陽の光を知る事もなく
穴ぐらでたった一人
隅っこでまるくなる栄養失調の体は
過去の変えようのない罪で汚れ ....
障子の向こうに何かいる
警戒
刀を握り締め
ぎゅっと体が固まる
怖い
恐い
障子の向こうに
殺人鬼
障子の向こうに
遺体
障子の向こうに
鬼嫁
障子の向こうに
ゴキブ ....
毛羽立つ絵筆の雑木林を越えて
厚い雲が寄せて来る
足元に暗い犬を従えて
息のしかたを忘れた大気
鳥たちは問う
振り返り母の顔を仰ぐ幼子のように
時の切れ端に速写した
景色に映り込む影 ....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右にかき混ぜる
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように ....
天井を避けるように
空へと向かっていく
いつもは言えなかった言葉が
しゃぼん玉の中にたくさんあって
もしも割れたら秘密じゃなくなる
人の涙は美しく見えるから
綺麗なものほど壊れやすくて
....
とんぼは人間におしえてもらわなくても
空のある上をしっているし
水面のある下をしっている
自然に
雲もしっている
上と下について
人間は なぜか
あれやこれやと言う
わたしは
空の下 ....
四角く区切られた部屋で
記憶は行き場を失くしている
忘れ去られてしまうまで
あれはただの壁の染み
やらかした後始末
拭いても取れなかったやつ
ほろんでしまった 全てが
忘れ去られ ....
着々と進んでいるようだな
はい閣下
鉄道、自動車、家電製品そしてインターネット
それがタイムマシンであると
彼らは解っているようですが
奴隷化計画ではと、感づいているのはごく一部です
....
君が好き
君が好き
繰り返しても
僕の心臓は
返ってこない
帰ってこない
君が好き
君が好き
僕の心臓は
走って行ったまま
私は今
ベッドの上で
小さな炎が──命の──
消えようとしているのを
ただ、茫然と
ただ、静かに
待っています
それでも、何度も
脳裏に過るのは
私がいなくなったら
私の国、私 ....
食事中に大きな日記
自分でノートに万年筆で日記を書く時代ではないから
ふふふ、ふとったよー、ふとっ、ふとっ、とつとつと
最初は気が付いていても楽な寝返りと受け身ばかりで
家族みんな ....
入院しているとき
面会に来てくれる人がいる
心も体も勢いよく元気になる
廊下のホスピタルアートが
患者も面会者も看護師も癒される
楽しく会話できれば
気分が前を向き
その日一日笑 ....
天国までは垂れ下がった縄の梯子を必死になってのぼらなくてはならないらしい
それに引き換え
地獄には急な滑り台を一気に滑りおちて行けるらしい
でも
その真偽はわからない
誰一人死後の世界か ....
大西洋からの乾いた風が走り去る
この国 この街に合う空気
穏やかに過ごす人々
砂漠に向かう街道を進み
砂の山がオレンジ色に染まる時
サハラから舞い上がる
....
滝のように流れては跳ね
山の風景を水墨画に変えて
髪飾りのように蝶がとまる
時の流れの先端に立って
綺麗だと思うだけで
心はつるに巻かれて
動けなくなる
風に揺れる藤の音が
あの日の雨 ....
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