爆心地までの距離は手を離せば届きそうな天と点に近い間となっている。高い山肌の頂に燃える炎が燻り焦がしていく、その新しき陽の、陰に隠れた真新しい心臓を抜かれた夥しい遺体を見た。
渋滞するバイパスへ ....
ぎらぎらと陽が照っている
草木が緑に燃えている
世界はゆらゆらと揺れている
折しも二匹の紋白蝶が
絡み交わり輪を描き
白々と視界を過っていく
いったい何処へ行くのだろう?
自ら描 ....
先生、あのね
わたしは不幸な花なの
蜜を吸いに、不幸な蜂たちが集まってくるの
わたしはそれを友達と呼ぶし
向こうもわたしをそう呼ぶけど
蜂たちが幸せになったら
わたしの蜜なんて不味くて飲め ....
人は、なれるもの
昨年までエアコンがなく
夏
といえば全裸で
過ごすものであったのに
今となっては朝から冷房を入れて
そのくせ布団に
這入っている
人は、なれるもの
家族が一 ....
誰かの物になるよりも、
いつまでも誰の物にもならない
図鑑に載らないような生き物でいたい。
透明で、どこまでも届かないような
そんな生物でありたい。
今夜も、海は、白い。
ここ ....
(また満たされなかった。寒い。)
雨だ
夏なのに寒い
こんな雨の日にぴったりの、
お話、
は、
朝、
電車に乗る
知らない人だらけだ。
どこに行っても ....
普段は音楽を聴かなくなった
そのわたしが、音楽を必要としている。
それが黄信号のサインだ
天使たちのシーン、地上の夜、夜と日時計
ここまではまだいい。
感傷をぼやかす為だ ....
どうにも目がさえて眠れないので
今日の夢をゴミ箱に捨てました
今日の夢は泣いていましたが
何も言わずにゴミ箱に蓋をしました
ひとは残酷ないきものです
ティン・マシーンを聴いていてふと
....
悲しくて堪らない日のポッケにそっと手を突っ込んでみると
今日の神様からの贈り物はうちの猫の写真だった
それはケータイの中に入っていて
つまり神様は
「お友達と猫のお話でもしたらどうじゃ」
と ....
心をシカトして
体が一人歩きしてしまう事は誰にでも有るでしょう
心への栄養を疎かにしても
胃袋だけは栄養で浸したがるのが人間の欲求の常ですから
愛情を踏みつけてでも
激しい性の衝動を ....
口達者で
何をおいても理路整然
しかも
思いやりまである妹に
君は
常々嫉妬してるね
そんなとき
僕は
微笑む
ここぞと
ばかりに
君は口が下手だ
お人好しよく騙される ....
走るきみの瞳は、何を映してるんだろう?
きみの瞳は、
ひとつの惑星の孤独な静けと、
光の点より多いまぶしい生が、
目の奥で重なり、飛び立ち、
明日に焦点を合わせる。
....
誰が見てなくても
少しだけしっかりやろう
今夜は違うんだ
僕は姿勢をいつもより正して椅子に座ってる
君からの電話はいつくるんだろう
今夜は気持ちが少しだけ落ち着いてる
目もつむ ....
夏休みの宿題なんてどうでもよかった
日中 曇天か雨天でない限り
太陽はかっと照りつけて気温は空気が焼けるまでに上昇した
粗末としか言い様のない昼食をすませると
近くを流れる川で水を浴びるの ....
細くて固い冷たい手術台の上で仰向けになる。「さあ、数秒後には深い眠りにつきますからね」。 そう麻酔医から促されると全身麻酔を受ける患者が看護師に言い放った。 ‥このまま眼が覚めなければ幸いなのかな ....
ひまわりに囲まれて
なんだか困る夢をみる
最終的には蔑まれるのだけど
よくあることなので
・・・
ニルバーナとか好きなんです
ほんとは
....
泣き濡れたアスファルトが
ただ、わらっている
虹は見えているか。
帰宅を迫る童謡が、耳障りに懐いた
声変わりを犯した 仔猫にすくわれ
かえるところを持たない林床が
いくとしつきも続 ....
アイコスだか電子タバコだか
知らないけれど
子供の玩具じゃあるまいし
ひそひそコソコソ
プラスチックの塊を
吸い上げて ....
知らないうちに「絶望」に侵食されていませんか
僕は少しコロナ過を軽く見ていたのかも知れません
豪雨や天候不順も精神に重く圧しかかって
「希望」が薄くなってきていませんか
だとしたらここらで無理 ....
令和2年7月豪雨の被災者も
母の脳梗塞も
三浦春馬さん自死も
梅雨の薄暗い長雨も
いい作が書けないのも
味つけの失敗も
トマトが甘くなかったのも
同僚が冷たいのも
表情がかたく暗くなる ....
「なんだ、もう行っちゃうの?」
「オレにかまうな、明日は明日の…」
「風なんか吹かないわ」
「違う、風邪をひくんだ
オレは心の寒い旅人なんだ
明日もどこかの町で微熱を感じて
こう ....
あたしあの靴
買おうかな、どうしよう
よし、できごと占い!
次にあの角から出てくるクルマが
白だったら靴を買う
二人とも遅いな
よし、できごと占い!
アヤカよりマキのほうが早く来たら ....
その絵具セットには暖色がない
静止したかのような独楽を見つめ
もう一人の自分と根比べするかのよう
沢山もらったその中から母は
かたちの良いものをひとつ除けた
「お兄ちゃん用に」
茄 ....
人にかける言葉の
優しいひとを選びたい
選んでどうするのかと
問われても明快な答えもないが
そうなんだ僕たちはそんなには曲がってはいないはず
規定するあなたがたの定規はどこまでも ....
新しい年度が始まり
新たな気持ちが芽生えて
わくわく感が増す
春の潮騒が後押ししてくれる
自然の優しさが身軽にしてくれる
耳を澄まして
春の潮騒を聞く
静かな心に寄り添う
....
生活苦にはお金がいちばんにきく注射針
日々の生活からお金がなくなったら
命が潤滑に回らなくなる
夫婦は無理して家を買ってしまった
引き換えに
住宅ローンが重く重くのしかかってきた
....
真実の仕合わせと
偽物の仕合わせを
きちんと見分ける眼なんて
持ってなかった
ひとときの感情に振り回されて
見失った大切なもの
振り返れば
ずっとずっとずっと
続いている自分の ....
共同という文字が言葉で解釈されれば如何に脆いものなのか。この汚物に溢れた便所や流し台の散乱ぶりを見れば大凡見当はつくのであろう。ひとたび配水管の流れが止まればもうこの有様なのである。 by 多 ....
弱い者を差別し蔑むことで
現実から目を逸らしている彼らも
いつかは自分たちの番が来て
土を掻きむしることになるのです
生きるべき命と消えるべき命
冷たい計算式を根拠に
神のように振る舞 ....
しとしと降る霧雨が
暑い日には シャワーとなって
心地良い 涼を齎す
車窓の景色は一瞬たりとも
止まっては くれないんだから
走りながら シャッター押すしか
術が無い
全 ....
592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.01sec.