とうにもう
枯野の向こうへ行きやったけど
おれに初めてフグを食わしてくれたんは
おんじゃん(おじいちゃん)やった
唇がぴりぴりしたら言いや
フグの毒がまわったゆうことやさかいにな
おれ ....
痛み 超え
恐怖 超え
快楽 超え
嫌悪 超え
絶望 超え
希望 超え
死を前にして、死を前にして
外界 銀に照り映え在る
純粋にオドロキ確認し
内界 漆黒の光点広がり在る ....
私は妻であるようだから
妻の声帯から声を出す
「夕飯はなんにします?」
私の息子があたかも私であるかのように返事をする
彼とは離れて暮らしているのに
「ひさしぶりにトンカツなどがよいです」
....
サンバイザー
サンバイザー
サンバイザー
三倍だー
サラバイザー
電灯の力をかりて
風にゆられる
{ルビ向日葵=ひまわり}たちの笑い声
さやかに響く 夏の夕暮れ
「しゃぶしゃぶ店大爆発」って三回言って?
しゃぶしゃぶてん・・・普通に言えるだろうがっ!
でもさ
言うに事欠いて
コロワイドって・・・・
コロナ専門のワイドショーだと思ったぞ
今、頭に ....
一人を越えた一人で
異を受け入れる小鳥
見つめあった訳
それは誰にも見えない
一握の砂ひとつぶの水
すべての生命が埋まる
井戸は枯れ空は満ちて
からぐるまが空を廻す
ひとつぶの星一握の月
滴りまた井戸が満ちて
掌におさまるひとつぶ
如何様にも煌めく澪標
一握の砂 ....
僕の彼女は
夏にワンピースを好む
(部屋着にもお出かけ着にも)
僕のカノジョは
目を細めるとき
厚い涙袋も出てしまう
(出るとホッとする)
....
ただ一人の遊び
でもそれがみんなのためになってるんだね
あの草のように笑おう
砂浜で笑う
あの子は
今も遥か彼方で愛を探している
河原に散らばった流木を広い集めた
干からびたそれに火を付けた
それは少年の日ノ一人遊び
あんたはなんにでも
本気になれないんだよね
いつも冷たくて覚めているんだよ
あんたの考え ....
ぜんぶ
俺のお陰なんだ
俺の必死な思い
俺のいっしょうけんめい
でも
俺だって
全力疾走
全力投球は
苦手だから
無理だから
だけど
ぜんぶ
俺のお陰なんだ
....
あの子の寝顔を観て
はあ美しいと思う
部屋には私の匂いがたちこめている
さあ今から残った弁当を食べよう
あの時の人参を思い出して
たそがれて
いちにちが終わる
いつかは
このくるしみも終わる
すくなくも
わたしが終われば終わるだろう
その時は
世界が終わる のではなく
世界のなかで
わたしが終わる
わ ....
或いは
オブ・ザ・フットボール
或いは
万延元年のフットボール
或いは
1973年のピンボール
....
ザッザ ザッザ
足音、響かせ
さ迷う人
その心中に
微動だにせず静か佇む
確かな凝視、
サヤを剥く
さ迷い人の憎悪を
さ迷い人の心魂を
裸にして、裸にして
....
与えてそして奪った
傷だらけだよ
もう
もうだめだよ
でも
あなたの方が
苦しいんだ
そうなんだよ
あなたの張りつめた姿
そのまつ毛
見てられないよ
ぼくは単純で
おまけに ....
出張でアメリカに
行ったときの夕飯は
中華料理の持ち帰りに
することが多かった
どれでも99セントで
こちらがもう十分と
宣言するまで
ひたすら盛り続けられたのを
覚えている
あ ....
ただ一つの言葉を言えないばかりに
君は長い長い詩を書く
ただ一つの言葉
それを君は覚えているかい?
君は君が詩を書く動機を
まだ覚えているかい?
君は詩を書くことで
気を紛らわす苦しみか ....
いつも
礼儀正しく
控え目で
慎ましく
誰よりも優しい
人の善意を信じている
君には
酷かも知れないけど
この現実の世界には
つらのかわひとつ人間で
にくは底知れぬ悪意
はらわた ....
ぼくががんばればいいだけなら
さみしさをこらえて やる よ
やる といったのだからそのことばでもって
ぼくをしばりつけてくれればいいさ
せんそうやさいがいではないんだ
にちじょうのなか ....
もうすぐ八月
今年も盆が来る
故郷の生家には誰も棲んでいない
父母はとっくの昔に草葉の陰に隠れてしまった
実家の直ぐ近くに先祖代々の墓がある
辺りに点在する家々の墓はそれぞれが単独の ....
殺意がある
おそらくは
得体の知れないものを
殺るための
そうして
奇形してゆく
正常な道を辿るために
入り組んだ鍾乳洞に
明かりもなしに潜り込むんだ
石のつららで頭を打ち
濡 ....
一.
剥がれおちる夕方から
くるぶしをなでたぬるい夜が
道順どおりにすすめなくて
わらっちゃうねいつも
欲望のはなし
二.
情熱と渇望とスカートと臨場感と ....
みんみん蝉が鳴いている
夕焼け空に鳴いている
巨大な夕陽が今正に
落ちようとしているその時に
みんみん蝉が鳴いている
夕焼け空に鳴いている
巨大な宇宙の営みが
寸分違わず足 ....
クリームソーダのグラスの中に
魂を浮かべて 眺めている
緑色の光を吸収し 揺らめいている
僅か21gの概念
・
あなたが最後まで探していた神様は
結局どこにも いなかっ ....
誰かとあって
そのひとも
いつかは死んでしまって
ぼくもしんでしまって
でもぼくがしんだら
もう誰も死ねないね
だからごめん
花の首飾りがしたい
空はぽかんとあいた人間で
世 ....
天球は精神と繋がり
地球は身体と繋がり
刹那に感じる
身体を駆け巡る
その波動が
眉間から生じる
紫のオーラが
全方位に向かって放たれる
無限の意識が
森羅万象の宇宙に溶けてゆく
....
ぼくは今日、ぶちこわされて帰る
派手な火花とは無関係さ
みたことはあるんだ
見たことがあるっていってんだろ
派手な花火
昨日までまともだった
いいやつだったんだ昨日までなら
今日に至 ....
大阪王将のある街で、歩兵の僕は何とか懸命に生きている。
「男なら将棋を上手くなれよ」と、そんな父上の言葉を胸に。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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