夜の泡の音
虫も草も聴こえぬ径
遠く流れる星の瀧
夜の泡の音
欠けた鏡
隠れた鏡
持つ手が映る
夜も映る
発つ光
着く光
手のなかの氷
....
またたき またたき
またたきの音がする
しびれているのは 右か左か
どちらの目なのか
両方なのか
左足を咬まれて
愉快でたまらない
左足の内に 咬んだものが潜 ....
考えても仕方の無いことを
考えても仕方が無いのだが 考えてしまう
考えて書けってなんだ
書くことは常に
考えの外に在るのだ
....
ほほ笑む強さ
泣く力
一瞬の和みで
一筋の涙で
僕らはきっと強くなろう
傷負う強さ
病む力
一本のナイフに
一幕の人生に
僕らは力を感じよう
弱みす ....
安息日、指先が落ちる八月を
ケムリ、1bitの陽炎と交わる
コール、そこらへんはトイレ
ノック、フライの軌道でセックス
四分割で巡った泡立ちの受精
カンバス、骨を剥くように
....
朝起きると
床が太平洋になっていた
キッチンは無人島だ
だったら椰子の木を探せばいいと
痩せた妻は言うけれど
冷蔵庫にあるのは
冷えた離婚届だけだった
市の福祉課に電話をかける
CQC ....
素晴らしい夜のかけ算。
雑魚寝の朝。
名前も知らない彼らと踊った数時間。
大事なことは何一つ解決しないけど、そこには音楽があった。
見たくないから目を閉じたのに浮かんでくる ....
青い陶磁器に
蜜豆かぞえ
星屑流そう
還ってくる
両親が
自転車は
二人乗り
ああ
怖
天空の城ラプタを観ようとしたが、そんな映画は見つからなかった。
それは、発音のままならない幼少期にだけ存在したのかもしれない。
薄墨の夜更けを濡らす雨
花と霞
歩道の影は浚われる
手向けられた明日をやわらに拒む
けぶたい描線の重なりあいに
コインランドリーは自転する
憂鬱の底に溜まった
うろを洗い
心臓の襞に詰 ....
何て暑い
茹だるように暑い
今年の暑さは尋常でない
大袈裟ではなく
日なたに出るのは
自殺行為以外の何ものでもない
目を真っ赤にして
血走った太陽の異常さには
鬼気迫るものが有 ....
{引用=モンキー}
悩んだ猿がコンクリートの猿山のてっぺんで
月を見上げながら体育座りをしている
{引用=フラミンゴ}
一本脚をとりはずしたフラミンゴ
ピンク色の鴨となっても義足 ....
私の対内で血が騒ぎ立ててる
うるさい!
煩い!
五月蝿い!
静かにしろ!
お前らに何が解るんだ!
何が出来るんだ?
血液が四十二度を超えたら
その細胞は死滅するらしい
....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く
二度と取り戻せない時間の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不 ....
木はおどる
きみたちは知らない
木の舞うすがたを
木はおどる
風に揺れるなんてもんじゃない
種から芽生えたそのときに
体をブンブンゆするのさ
枝が広がり
葉をのばし
おど ....
一発上がるたび
メッセージや協賛が
アナウンスされる
辛気臭い
思い出の中の花火大会
大人になり
横並び何連発や
間髪入れず打ち上がる迫力の
爽快感と、興奮
ひとつづつあ ....
大きな山だった
立ちはだかったまま青く動かないで
汚れたままの靴と
広くて深い空
その空に追突していった
ま白い鳥が
置いていった羽をくるくるもてあそびながら
雲の上や切れ間を流れる風に ....
朝の山
露の草むらから
ぬっと 雉
蹴爪が
近付いてくる
深い新緑の塊
深紅の顔
すくっとした首
獲物を狙う目と嘴が
迫る
と
光沢の羽を広げ
僕をきっと視
....
いままで居た世界の外側には居なかった世界がひろがっていて、
わたしが見たいものは、自分で選べることを知った。
良いことだと決められていたものが、良いとは限らなかったこと。
駄目だと言われてい ....
滅菌室に芽吹いた
一本の葦
畳、開け放たれた窓、ほほをなでる風
庭に咲くキンモクセイ
高校の制服
ボールを蹴るときの足の反動と
ふくらはぎからふとももの筋肉の
機微
酸素と ....
ミクロの世界に住んでいたと
毎日気づかされる
憂鬱な数字が踊る
決死圏で繰りひろげられる
細胞たちの戦いに
なんの援軍も送れずに
ただ恐れるだけ
世界を覆いつくす
ミク ....
詩は底無しの沼だ
一度足をとられると
一夜が眠れない夜も来る
私の心の何処かに
掘られた運河
水が溢れて
堤防が決壊した
私の知らない街が
洪水に飲まれても
私の ....
新しい風は窓辺を抜けてこの部屋に一枚の若葉を寄こした。
柔らかな音楽に私の心がハミングしている。
描きかけのキャンバスはひっそりとそこに佇み、
次の一筆を黙って待っている。
....
なにもかも
あんまり悪すぎて
ことばにならない
心の叫びを
きいてほしい
この詩を読んだら
こういう想像して
1人の男がいる
夜眠れずに
その男は絶望している
男は死にたくても ....
ふわりとしたエメラルドグリーンのワンピースが
雨上がりで蒸し暑い灰色の 川辺に映え 道化師が
その様子を写した
ワンピースに茶色の髪の毛が、あんまり優しく垂れさがっていたので。
たくさんの ....
こんなにも短時間で
醜くそして優しくなれるぼくたちなんて
もうほんとうに
どうしようもく虚空をさまようようだ
きみは電話のむこうで
また泣いて
けれども君がぼくを思い言ってくれる言葉は
....
折り重なる記憶の襞が
一枚一枚剥がれ落ちては色褪せ
何の感情も伴わずに
震えている、震えている
脱力して
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
反芻される記憶の渦に
今 ....
窓の外 人の姿も無く
ただ 車の群れと 青い空だけ
同じ国の どこか遠くでは
とても強い雨が降っているらしい
他人事
自分以外の全ての出来事
悲しいニュースも 嬉し ....
きみの笑顔の意味がわからなかった
だけど、ふと気付けば僕も笑っていた
きみのその笑顔は、きっと何の為でもなかったから
意味なんていらなかったんだろう
きみの後ろ姿に向けて、
口をつい ....
まず、南部風鈴の音色がある。それから、木のまな板をリズミカルにたたくステンレス製包丁の軽快音。スリッパの薄っぺならビニール底が台所の床の上でぺたぺたと笑う声。朝焼けのなか、小刻みに振動する洗濯乾燥機は ....
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