サンドストーム
夢遥か
砂漠の最中
逸脱し
微笑む貴女が
ただ独り
ただ独り居て
未知永劫
遠去かる背に
追いすがる
追いすがる我
独り居て
*
....
味噌汁を掻き混ぜていると渦運動のさ中に黒色の欠片が俄に散見された
葱の二又に分節する箇所に身を隠していた微塊な土くれか
或いは湿地の石突きの紛れ込みか
それを判別する有効な手立ては持ち得ないのだ ....
夜のひととき
そんな美しい響き似合わない
崖から一つ石の塊
取り出したような
硬くも抱えていたい
私の時間
弾いてみたら
指を怪我した
生ぬるい血をなめて
「死んでない」
....
無音の夜
また到来し
月はない
月光だけある
白々と
辺り、白々と
浮き上がり
寸断された記憶の
恐怖、また襲い来る
私は私の実感を保てず
意識の外郭だけが生き残り
やがて蠢 ....
大・長・多は
開放と回帰を実現する。
意図としても
印象としても
両極ではあるが
構造や物語が強くなるか
多様や分散が濃くなる。
視線の獲得か
刺激の喪失かの差しか底に ....
どうしたらいいんか分からない
こんなんじゃいけない
思索をしたいけど
そも向いてない
井筒俊彦や西田幾多郎がなんだか憎くくて
ぜんぶ燃やしたい
生活でいっぱいだ
でも今はその生活さえ半分 ....
《そこ》では、
だれにも読まれないから、
詩を、
詩のサイトに投稿した。
詩、だから、
詩のサイトでは、
読んでもらえると想った。
でも、そこでも詩は、
読んで ....
眠い 線香花火のさいごボトっと落ちるヤツが
一気に千個落ちるぐらい ねむい
少し口角を上げた三日月は心を食い荒らしている
がみがみの大きな口を縫い 星星を抱いた罪深きつけ爪の赤を
初める
熟れた柘榴に切っ先を、ウツボカズラの試験管に漬す
死した君の瞳の奥底に囚われ ....
一週間前から降り続いた雨のせいで
河沿いの家屋は今にも流されてしまいそう
避難したホテルの1階から不安そうに眺めていた
叩き付ける雨がガラスまで壊してしまいそうだった
晴れ上がった翌日の昼 ....
日頃ぐうたらな僕が
一念発起して
庭の草をむしり始めた
夏の太陽はぎらぎら笑い
ぽたり、ぽたり
{ルビ滴=したた}る汗は目に沁みる
草のむしれる感触に
無心で熱中しながら、熱 ....
時代は益々混迷の度を深める。
今、この時
詩が何かの役に立たないか。
詩心は宇宙の果てまで旅する事ができる。
そして自己の中の奥の方の声も聴くこともできる。
このコスモロジーは
必ず人間を ....
「草を踏まずに森を抜けられるだろうか?」
靴を脱ぐといい。
「しかし草を踏まずに森を抜けられるのだろうか?」
靴を脱ぐんだ。
「どうなんだ?俺は優しい草を踏まずにこの森を抜けられる ....
一匹の金魚が
ヒレをゆっくりあおいでいる
ポイに捕まった
アタシは運が悪い
みんなはどうしたかな
どこへ連れられていくやら
どのみち売られた身
受け身ばかりでは
....
本当はね
詩なんてどうでもよかったんだ
だけどね
私は私なりに
どうしても自己表現出来る方法が欲しかったんだ
でもね
私にはこれと言って何も持っていなかった
絵は上手に描けな ....
「だれとつみとった。そのあかいくびを、契っては、恋を叶えたの。」
乾涸びたさざ波の風雪と 熱病に曝され熔けて言った
(萌ゆる焚き木と燻り、さるシビトの唇を湿らせる)
時は刻まれ続け 母船の数 ....
登攀する指たちの鮮やかに泳ぐ風景を目の当たりにしては、花を捥ぐ
稲光として照らされるまなざしは避けがたいせせらぎを背なに負うのだ
その熱を委ね夜へと色をうしなっていく様々な病たちがしなだれて
耳 ....
フローリングに寝転がり
爆発する太陽を浴びる
降って来る光の洪水は
世界のすべてを肯定し
温め熱し燃やし尽くす
)否、否、否
)肯、肯、肯
)越えて超えて!
病に苦しむ己も
....
白雲が
猛暑の青空を
ぽかり行く
私は架空の縁側に
寝転びそれを
眺めている
いつしか遠い記憶に眩み
五歳のじぶんが微睡んでいる
その残像を追いかけながら
胸奥に疼く郷愁に
身 ....
生きることが下手なのに
頑張れだなんて
生活的嫌がらせだよね
あーぁ
ライフハラスメント
一人で居るのが好きなのに
一緒に居たいねなんて
活動的嫌がらせだよね
あーぁ
ライブハラ ....
記憶の色が
褪せて来たのは
古ぼけた写真のせいだろうか?
アルバムを契機にしないと
過去を思い出すことも
なくなってしまったからだろうか?
テレワークの窓から
望む景色はいつも
突 ....
夏は初恋
気がついたら好きだったし
気がついたら卒業だった
顔もろくに覚えてないけど
優しい人だった
秋はあの人がいなかった
辛くて辛くて
落ち葉を見ても泣くんだ
恐ろしいほど ....
太陽と月が頭上で何度も入れ替わる星の上で
ふっと考える
俺はあと何度変われるだろうか?
ローマが一日にして為らぬというなら
一人の人間が完成するには一体どれだけの月日が必要なのだろ ....
宇宙の果てに、ひとりでいれば、
虫の音が、眼の奥底に浸みてくる。
空には人の気配は無くて、
星も何にも語りはしない。
虫たちは、頭の中の波打ち際で、
幻みたいに、光ってる。
....
・
目が覚めると、今日もプリンの一日です。
円グラフ、黄色で塗りつぶしちゃうのです。
・
夏の朝、粉ゼラチンを制鞄の底に隠し、隣町へ密輸の旅さ。
その町に住む不登校の友達に、プリ ....
父母の割れた声が響いている
ここは家ではない
扉を閉め、鍵をかけ
空気を隔てても、まだ壁が振動している
ここは家ではない
布団を被り、耳栓を押し込み
脳の奥にツンと一本の線が走る
....
この味がどこから来たのか
わかってほしいと思ったりしないで
黒ずんだまま 泡を噴いている
時間が経ちすぎていく
泡はゆっくりと消える
レモン型の炭酸飲料を道すがらに買って
宙に浮かぶの ....
{引用=熟れた太陽}
暑い日だった
「スキンヘッドの大工さんの日焼けした後頭部に
もう一つ顔を描いて冷たい水を注ぎたい 」
マスクをした金魚がエアコンの波に裳裾ひらひら
上気したザリガニ ....
きりきりと雨の音がしている
ないはずの傷がぐるぐると呻いて
僕は笑ってしまう
きみは何処にだっているのに
まるで恋をしているように急かすのだから
いつだって
ひとは水から生まれて
ひとは ....
熱風が
うねっている
この真昼
哀しい顔した
少年が
西へ駆けてく
汗ぬぐい
父さん母さん
追いかけて
遠ざかる後ろ背
ゆらゆらと
陽炎の揺れ
儚くて
終いに涙が
溢れても ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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