かんぜんに
腐った土くれから
一本の
新しい草が
天に向かいのびる
天のなにかを
知らず
また
土くれの何かを
知らず
のびること
それを
ただ一つ
羅針盤 ....
ここにひつようなのは
あかるい島
カラコルム山脈という語感
しわくちゃな赤色の千代紙
麒麟の模型
プラスチック造成機
アラビカコーヒー
周期表
水素をかぞえながら
酸素を引い ....
だらだら続くながいくそ
腹痛で2021は始まった
東京では感染爆発で
オリンピックどころじゃない
はずだろうけれども
だらだらニカイやスガは
よだれたらして開催をのぞんでいる
....
ひんやりと
聴診器があたる
「生きています。
だいじょうぶ、あなたは生きています」
そう言って
次の患者をまねき入れる
「そうか、生きてるか・・・」
受付で千五百円をはら ....
ツリー
クラッカー
紙鎖
ターキー
ケーキ
ワイン
物悲しさ
別の星には
別の花が咲く
そこには別のじょうろがあって
何色の水をやるか
異なっている
だから
どんなふうに話し
どんなふうに笑い
どんなものを食べ
どんな寝相で寝ているか
知るよ ....
今からコンビニ行くけど何欲しい
アイスそれから
それから何欲しい
気を付けてね
帰ってきてね
梅のお菓子
性急で乱雑な、まるで最期の煌めきのようなビートに群がる羽虫のような俺の心音、歯をカチカチ鳴らして、食らいつく場所を探している、硬すぎるか、速すぎるか、それとも不味すぎるかーおや、顎が疲れてきたみたいだ ....
ぼくのおじいさん
座ったままで移動するぼくのおじいさん
落ち葉の中に 腹這って
なかなか伸びないキャベツの長さを
指で計って書き付ける
ぼくのおじいさん
秋の散歩道を彩るぼくのおじいさ ....
コロナについて
一番腹立たしいのは
中途半端なところだ
全盛期のエボラ出血熱ばりの
死亡率100%ぐらいの威力があれば
マスコミの奴らが
今日の感染者数を毎日半笑いで
報道することもない ....
{引用=「はじまりの小詩」
洗面所の
鏡の前に立って
歯みがきをしていると
朝の光が
横顔を洗った
ふり向くと
トイレのドアが笑った
このとき
ぼくの何かは
まだ眠っ ....
此処は静かだ
これまでに感じた静けさを
寄せ集めたような静けさだ
此処には
君とだから来られた
そして他には誰も居ない
さえざえと澄みわたる処
静かな処
けれど知っている
こ ....
つまりは嘘になるから
すべてをさらしてみたいとは思わない。
書いていると気は楽になるけど、
、友や家族を前にして言葉を発したことがないのよ
なんで照れちゃうるのかな。
それ ....
おしゃべりな猫と
沢山の言葉を持っている猫は違うみたいだ
沢山の言葉を持っている猫のなかには
的確なことばを伝え得る猫もいるとおもう
時宜にそって言葉をつかいこなせる
たぶん詩猫って ....
水は色がないのにキレイで
全ての色に染まり
全ての色を流す優しい色
水は人間や動物そして草木
全ての命を生かしてくれる
おいしい命の味
いまどき
おっぽろった釣り銭のために
自販機へ土下座しなきゃならないなんて
陰に指を差し込めば
なんだか懐かしい冷たさと砂の手触り
いつからいたのか
猫が
目礼をかわして飴色に消えていく ....
ぼーっとしてると言われても
表情が動かなくて
ただ何も持たずに忙しい
頭の中は嵐のように
考え事が吹き巻いて
不安に追いかけられながら
「暇なの?」と聞かれる
何もなくても焦って ....
らいたーってしってるかい
かちっとおしたら
ひがつくやつさ
いうなれば
こうきゅうな
まっちさ
さくぶんとか
ごーすとのほうの
らいたーだとおもったかい
じつは
そっちのはなしでさ ....
ジャガイモの転がる農作業小屋にて
ハクビシンが
冷たく首を伸ばす
おのれの糞尿を
嗅ぎ直す
ハクビシン
ハクビシン一匹
板目に鼻を押し付けて
水をかぶるような恐怖であるか
....
{引用=雨のように大地が
海の端に
こぼれていく
濃霧を裏返すと
ヤドカリの心臓が
宝石になる
渡り鳥たちは
スクリーンのなか
{ルビ黒色=こくしょく}の雨に打 ....
一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ
戻ることは叶わない
遡行しながら進 ....
船べりから身を乗り出した声帯は
のりしろを喪くした
カーペットにくっついた星屑
コロコロで綺麗にしたら
見たこともない骨片が紛れていた
とり散らかっていても
六芒星を宙に描く
....
何度でも間違える
言っても直らない
直す気はあるけれど
その場になると抑えられない
何度でも間違える
何度も同じひとを泣かせる
自分も泣けてくる
毎回後悔する
毎回決心する
そして生 ....
HRの時間になると
黒ヒョウが教室に入ってきた
あ、代わったんだ
担任の交代は初めてではないので
生徒らは慣れっこだった
が
まさか黒ヒョウだとは
黒ヒョウは静かに
教室を歩き回る
....
私の好きな人はピースを吸っていてライターはジッポー中身の入っていない大きなリュック背負って弾むように歩く。いつでもデニムのジャケットに細身のパンツで冬だけフェイクファー付きのコート。どれをとってもカッ ....
久しぶりの自転車はちょっと浮く
なんて軽やかなんだろうと
鼻歌ふふとふふふんと
身体がリズムを刻み
心が風景を纏い
なんでもない一瞬がぱちりと
はじめて砂利道でペダルをこいで路地を出ていく ....
澄んだ空気が笑っている
雪だるまがへしゃげて転がって
もう命もわずかだからと笑っている
小さな女の子とお母さんが凧を持ち
みんな一緒に小走り助走して
わらわらとふわり凧が浮く
念入りにフォ ....
孤独に発光する、
散乱するイメージのなか
源頭へ遡る、
前進する時間のなか
旺盛に分け入って行く、
イメージがイメージを呼び
深海の頂きで
未知なる木霊を聴く
大雪原がうねるように ....
{引用=prologue「サティの波紋」
橘の香りする
枕もと
地球が訪ねきて
細いゆびを
こちらに突きだす
ティーテーブルで
フランネルの布がわらっている
(ちがう
( ....
二〇一四年十三月一日 「宝塚」
18、9のとき
ひとりで見に行ってた
目のグリーンの子供と母親
外国人だった
子供は12、3歳かな
きれいな髪の男の子だった
母親は栗色の髪の毛 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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