コーヒーの淹れ方なんて知らないけれど
私は私に会いたくて今日も豆を挽く
今朝の太陽はどんな顔?
眉をしかめたってバレバレ
私とあなたを隔てさせる分岐点
それを見つけ出すつもり
だから心配し ....
昼も夜もない屋敷に独りの老人が住んでいる。
彼は日めくりカレンダーと唯一の会話をする。
愛くるしい動物や癒しの風景が語りかけてくる。
そんな彼が穏やかに息絶えていた。
今日見つかった時はもう腐 ....
夜になって風が
冷たくなってきた
お前の薄手のコートだけでは
風邪を引いてしまうだろう
俺のレザーのハーフコートを脱いで
お前の肩に乗せると
お前は小さな声で
「大丈夫?」と耳元で囁く
 ....
家に帰ったら

つぼみが

いくつか咲いていた

とてもさみしい
影を、焚べてしまいたい、なんて思いながら、
森で、火を囲んで、物語を聴いた。
そのとき、焚べられた影が今、街をうろついている。
私を火刑に処そうとして。
あの焚木はとっくにない。語部もいない。 ....
銀輪の
跳ね返る
光の束
眩しくて
ガクンと揺れた
視界の先
道行く人の
後ろ背に
未知悠久の
時、踊る

あゝ何もかも
渦巻いて
異郷となって
迫り来る
この懐かしい
 ....
僕の空腹はぼくのものだ
ときどきカップ麺を要求するけど

必要は最良の教官ではあるが
不必要はより甘美な憩いなのかもしれない

罵り言葉でもないが
地獄に行こうぜ

僕みたいな人間の ....
もののあはれとはそれは
風の包帯
先だつ批判をやわらにつつみ
まるで
{ルビ苫屋=とまや}に吸われるもんしろ蝶
ひなたの蜥蜴
春の
ことぶれとも
白銀
静寂

足音

足跡
甘い甘いリンゴのケーキの

そのリンゴは

遠い遠い青森県から来たという

北の地べたに

大切に植えられた木のたくさんの時間と

作り手の方の人生と経験と

この年にかけた手 ....
僕はゾーキーヌ
でも生まれた時は
タウォールという名だった

それがここにやって来て
しばらく経ったら
ダイーフキーと言われ始め
そして今の名前に
いつしか変わったのさ

耳にした ....
放課後のバス停で
目の前を通り過ぎる彼女が
いつも楽しみだった

同じクラスだから
友達になるのも割とたやすくて
ちょっと手を振るだけのこと

なのに
それさえできない僕は
そっぽ ....
妙に静か。

シュレーディンガーの雪


カーテンの襞の{ルビ谷間=たにあい}をみている。
昔銀座で父と会った時に
ウイスキーを 信号で 片手にしていた
僕はいた
僕の無印で今は忘れた そして
紺色の厚手のデニムシャツを上に着て
お晦日の夜から元旦の朝までラブホテルで過ごした
事がある
事前にその事を彼女の家に電話したら
母親が出て
 お嬢さんを今夜こっちに泊まらせて明日そちらに送ります
と伝えたら 電話口で母親がこ ....
あなたが産んだって言うんじゃないよね?
いけない事とわかっていても
その優しさ誇りに思う
小さな町の小さな一角
あの人何て言うかな?
白々しく責任押し付ける
私の返事はもう決まってるから
 ....
「窓の向こうの永遠」

冬空に輝く星空をみて思ったこと
1.蜂蜜

海のむこうの国から
はちみつを買うきみに
くたばれと思っても
しようがないね

トースト

冷めちゃって、

可燃ゴミにて
代謝する
えいえんに腐らない日々 ....
鎖で繋がれた折りたたみ自転車(通称キュキュ)を
散歩につれていったアトー
どこか遠くの外国の人のような名前
でもれっきとした日本人
キュキュは電信柱におしっこを引っ掛け
ほかの自転車にううう ....
歌声が聞こえていた
夢のなか
濡れるようなヴィブラート
君の弟だと紹介された
いがぐり坊主に白のTシャツ
別世界の住人みたい
僕たちはすぐに打ち解けた

萎れいく花々
目醒めてみれば ....
女が多い会議だと
チンポコが立ってしょうがない

そんな差別的かつセクハラ的発言を
堂々と言えた
あの頃の私が懐かしい
今では女が多くても
化粧臭いだけで
うんともすんとも言わなくなっ ....
次の街灯までを何とか生きる

あの小さな光までを生き繋ぐ

何億光年先の?後の?心底の?天上の?

分からないけど、今はただ歩く

一夜一夜を、一歩一歩と

ふくらはぎのヒラメ ....
「蝿」

打ち沈んだ脳梁の遺跡群に一匹の蝿が迷い込む
神経質な迷路は死相を
その顔にふたたび浮かび上がらせる
魘されたアルトーの夢のように朝が来て
朝はまだ夜を殺しきれない
閉ざされたカ ....
新聞配達の音で目が覚める

豆乳バナナとカロリーメイトで朝食

リモート出勤をしてから車で出勤する

内外の打ち合わせが2本と面接

姿も声も筆跡も違ってた。あなただと思ったのに

 ....
二十度の酒を呑むと苦しいだけだが
五十度の酒を呑むと爆発できるらしい
でもそれはあまり売れない

じゃあ炸裂が怖いの
と聞くと炸裂したい人はたくさんいるのにだ
僕はブルックリンで昔
気の知れた 友人と二人で
気持ちを口にしあいながら曇り空の下を歩いた 
クラブパーティーを見た 夏の午後
水売りが立っていたあの日
どこにでも車を停められたらいいのにだいたいいつも都合良くはいかない。
心に留まった場所を通り過ぎてから、写真の構図を探すことになる。
(
  はじめは岩礁の方へ行きたかったけど逆方向へ向かった。 ....
実際、地球は本当によく回っていると思う。
朝日が差し込む部屋で歯を磨きながら
酔っ払って泣き続けた昨夜を思い出し、ふとそう思った。
床に転がった酒瓶に目を向ける。
中国出張帰りの同僚にいつか土 ....
夜、

暗緑色の

霧に覆われた

小さな凍った湖に、

静かに霧を割って

一羽の

羽の弱った小鳥が

落ちてきました。

すると湖は音もなく割れ

やさしく
 ....
人をきずつけ
傷つけたくせに傷付いて
そんなことをかんがえて
夜はまだ更けもしない

とりかえしのつかない
いったいどれだけ多くの
星が空にまたたけば
星座の{ルビ焉=おわ}りは来るの ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
パン・ド・ミー妻咲邦香321/2/9 22:43
死めくり宣井龍人9*21/2/9 21:53
言い出せなくて花形新次121/2/9 21:46
つぼみ黒田康之321/2/9 21:23
かとり5*21/2/9 20:25
異郷に揺れてひだかたけし521/2/9 18:47
二胡梅昆布茶1321/2/9 11:54
ことぶれ道草次郎11*21/2/9 9:43
気配ヨロシク221/2/9 7:53
リンゴのケーキ黒田康之221/2/9 5:28
宿 命YEWJI 2*21/2/9 1:03
不器用021/2/9 1:01
静謐のスリット道草次郎3*21/2/9 0:47
晴れた日に銀座で番田 221/2/9 0:30
見えないところで見えない形でこたきひろし321/2/8 23:53
クラスター妻咲邦香021/2/8 23:23
めもかば021/2/8 22:24
ひとところにわたしのための愛をあつめる平井容子621/2/8 22:08
アトー[group]道草次郎5*21/2/8 21:13
メタモルフォーゼひだかたけし421/2/8 18:56
女が多いと花形新次121/2/8 17:37
次の街灯クーヘン3*21/2/8 14:43
にごり水もみず道草次郎3*21/2/8 9:13
turn off your devicesmizuno...221/2/8 5:34
炸裂黒田康之121/2/8 2:28
ブルックリンの空番田 221/2/8 1:20
pictureかとり2*21/2/8 0:57
地球が回り続ける原動力ごまたれ38*21/2/8 0:08
ある凍てつく湖の話由比良 倖5*21/2/7 23:48
更けゆく夜の魚へ道草次郎3*21/2/7 23:26

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