トルソの夕焼けに
切断された四肢の休息を
みるものはない
石理から拭きとられた水も
砂漠をこえ ひとをこえ
高低をのみほしてきた
砂時計はアシンメトリーである
あらゆる風と雲 ....
名前がある
そこにある
私の名前だ
そこにある
指でなぞる
古い名前だ
何も覚えていない
美しい響きだ
長い間耳にしなかった
花を摘みに出掛けた
みんな何処かへ行ってしまった
....
杉の梢に雲が絡む
それは川であったり
馬であったり
龍であったりする
大樹に向かい私の足が根になるとき
私は蒼天の
川に遊び
天翔ける風となり
未知なるものの微笑みを知る
昼間の月が山から出てくる
満月に近い間は
遠くて明るい
ほうぼうでじっとしてきた気もする。
そうでなかったのと同じぐらいに。
ここが惑星だとおもえば軽減する筈の、ディスレクシアがある。
けれども全土なのだし、惑星は観念、全土という語感の支 ....
意地
酷
無惨
不様
ー 哀愁 ー
人間の記憶というものは
とても不思議なものだ
記憶のふるさとを探しに
人間の体のなかへと旅にでる
(脳への旅)
おおかたの記憶は
脳にある記憶の倉庫の
無数の抽斗のなかに ....
谷川さんが引用した八木重吉を引用するようなこと
それは
それとは
床六尺にちらした
不具の幼体
と
いちるの穹だ
ええ、生まれて一度もこの家の敷地を出たことはありません/はい、生まれて一度だけこの家の屋根から海に飛び込んだことがあります/
いつかの夏、この家を飛び出して七日のあいだ何処かを彷徨い歩いていまし ....
ふたつの静寂を飲み込んで
プロペラ機のエンジンが止まる
見てきた景色、幾らでも話して聞かせられるよ
触って確かめられるものなら
膨らんだり縮んだり
自由自在は健気だけれど
いつか歩幅を揃え ....
雨の匂いと
ここには無い風が
少し冷えた窓枠に溶け込む
濁りながら
視界を浸す音に
帰ろう
と
応えるつもりだった
いきいそいで来たきもして
ここはちかげつ、いやもう九かげつか
もうはるなのね
はるでしょぅ
いつもいつもおわる気のするのは
なぜだろぉ
桜ひらひらまう迄は
ながらえつつも
はだえの{ル ....
春の匂いがする。ステンレスの苦い匂い。花の甘い匂い。
*
ちいさく静電気を起こす。君だろうが、僕だろうが、そんなの関係なかった。
*
たまごの黄身と白身が離ればなれになったみたい。ぽっかり ....
ゆるやかに自傷
ゆるやかに
もぐもぐもぐもぐ
食べたくないけど 食べちゃうの
もやもやもやもや 晴らすため
ゆるやかに自傷
ゆるやかに
ぷちぷちぷちぷち
....
リモートワークは普段からネットをよく使う人でなければ
定着しないのだなと
付け焼刃でやってもやっぱりよくないできないや
に落ち着く
使うためにはそれ以外にやりようがなかった
僕のようなヒ ....
疼痛
激痛
鈍痛
鎮静
鈍痛
激痛
鎮静
激痛
激痛
静
人がいる
地球儀の上じゃなくて
地球の上に
地球儀の上は世界じゃなくて
世界は
地球の上に
その表面に円状になって広がっていた
人がいる
人がいる
人がいる
人はどこに ....
砂塵がもうもうと上がる
町ひとつが燃え上がるようだ
夕景
しばらくして車がガタガタと揺れる
土の渦がフロントガラスの向こうを通り過ぎる
渦、渦。
もうもうと
風が通り過ぎる
時々僕は
街角に立ち尽くしている
見上げていたりする ビルの空を
タワレコに入っていく男
女は見ている 窓の宝石を
僕が 昔食べた アイス屋はもう無い
それを並んで食べた女の ....
海よりもとおい海の
浜辺には声の真空があり
水と石だけがきざまれて在る
列島の等高線をきりおとして
おんなたちは口々に
あれが星の曲率なのだとささやく
だがひとえに言ってしまえ ....
昏い暗いブルーライトを喰らう蛾侭の鱗粉は
夢想が作り出した名ばかりの怪物
ただのネオンサインに遮ぎられた殺虫灯の明かりに
いつかきっと鳥籠に召されたし
窮屈な空白は塵と誇りばかり ....
接待されるのが楽しいかというと
そうでもない
接待する方も面倒くさいんだろうなあって
気を遣うしね
どうせだったら現金渡されて
お好きに使って下さいというのが良いかな
欲しくもないプレゼン ....
傷付く事にも慣れたなんて哀し過ぎる
消えてくれない痛みに彩られ
綺麗な心を捨ててまでも追いかけたい夢がある
日曜日は新しいスケッチブック
最初に描いたのは何もない空だった
世界を動かすそ ....
出会いと別れ
だと思ってたけど。最近。
別れと出会い
だと思ってきた、最近。
人と出会って、別れるってことなんてないけど、
人と別れると、出会いがあるんだ。
人と別れると、 ....
有刺鉄線をいじっていたら
異常にこんがらがって溶け始めた
俺の熱のせいか、指先は既に燃えていた
閉じ込められたまま閉じ篭もったまま
砂漠に墜ちたプロペラ飛行機
赤いいきもの達が列を ....
{引用=春は
ねぼけた白さぎの壁
意識のとり零し
たおやめの
すっくと仄闇立つすがた
{ルビ一夜=ひとよ}に二、三
酵母の乱れ
夜霧へおとなう
{ルビ紋付=もんつき}の{ルビ靈=れい} ....
遅れて来た陽射しが
指輪を押しのけ生える指毛を浮彫りにする
その時
かれのこよなく愛するミディアムトマトは
その緑な蔕のお地蔵さんである
キッチンと呼称される島嶼には
ウミユリの夢や仄 ....
えのき茸の石づきをザクッと切り落とす
その瞬間の、何とも言えぬ罪悪感よ
それでいて、なぜだか心がスッとする
みんな、離れ離れとなり
父ともサヨナラ、母ともサヨナラか
....
ぽかぽか陽気のなか
ぐんぐんみどりが育つ
ぎらぎら太陽のなか
すいすい魚がおよぐ
ひゅうひゅう風のなか
ひらひら落ち葉がおどる
しんしん雪のなか
吸い込まれていく、音、音、音 ....
目覚まし音
…再び
スヌーズ
…諦め
498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.49sec.