いずれも夢のような日々を生活した
よい夢も、わるい夢も、正夢も
芳しい花も、熱い風も、つめたい雨も
さまざまな深さの傷も
重たくなり軽くなりする身体も
やって来ては去っていく
....
○「終活」
「失ったもの」を
数えて生きるよりも
「まだあるもの」を
数えて生きていこう
○「殺し文句」
(女)「あたし、初めてなの」
(男)「俺はマジだぜ!」
○「天気予報」 ....
壁に掛けた絵が傾いて
棚から雑誌が滑って落ちた
花瓶が床で砕けて散った
みんな急いで外に出た
電線が揺れていた
千切れるほどに揺れていた
笑ってる人もいた
隣の建物で大きな音がし ....
コロナウイルスの騒ぎで
ウイルスというものに興味がわいて
いろいろ調べてみたが
調べれば調べるほど
ウイルスの奥深い謎の
底なし沼が見えてくる
その謎のなかで
最も面白いのは ....
砂浜であたたかな光を浴びながら
私たちは貝殻に閉じ込めたことばを砕いている
細かい粒子がキラキラしては手のひらで
掴み切れないものをかろうじて掻き集めて拾っている
足の裏に微かな熱を感 ....
卵
ヒヨコ
鶏
チキン
血肉
ウンコ
私の場合は創作文を書くことで詩的体験を楽しみ波長の合う対象には憑依して連詩を書いてきた根無草。伝えたいこととかなんも無いフラットだから解るのかもしれないけど、悪文と駄文は別なんだよね。自称ネット詩人を ....
眠りはひきちぎられた
まだべとつく膜をまとった渇きは脈打ち、指々を起こす
酔いどれた眼球に絡みつく、裂きたがりの指々
乞い、這い、掻き壊す指々
私は、したたかに心臓をうつ
故郷の焼ける臭気
....
夜になってしまった
森で野宿だ
きっと、綠色の夢を視るだろう
すると
焔のような瞳の狼がフラッと現れ
「あの、橫で寢ても良いですか」と云う
「良いけど」
....
眼下の川では子供たちが裸ではしゃぎ
遠く茶褐色の岩峰が冷たい灰色の空を背景に連なっている
僕はゆらゆら揺れる色褪せた肌色の廃棄バスの屋根の上
何とかバランスを取りながら何度も落ちかけ
終に ....
眠る私と眠らない私
半球睡眠の見る夢
日々の
狩る私と狩られる私と
生きているうちに
おはようと、おやすみと
まだ生きているうちに
ごめんなさいと、ありがと ....
つい最近まで
私の住む地域は
「利用出来る店舗はありません」
と表示されていた
東京から1時間圏内なのに
な、なんで?
とショックのあまり
スマホを叩き壊して
ベランダから
「ウーバ ....
二〇一七年五月一日 「もろもろのこと。」
だいぶ本を処分したんだけど、またぼちぼち本を買い出したので、本棚にかざる本をクリアファイルで四角く囲んでカヴァーにして立ててかざれるようにしてるん ....
当面することが無い俺達は
頭の包帯を真新しいものに替え
ベンチを探しながら、公園の中を首輪の無い犬の様に歩く。
親父が一切の記憶を失った事と
俺がいざこざから退学した事は、互いに関係が ....
ディオニソスに魅入られ
葡萄の蔓の絡まる酒杯を享けた
昏い眼光を滾らせ
無形の岩漿を地に撒いた
ピンセットで標本台に載せる
一分の狂いなき手つきでつがえた
アポロンの銀の矢が
杯を貫 ....
弟の家には
尻尾がある生物が居るらしい
網戶を半開きにしていた處、
勝手に入ってきて、そのまま定住したのだそうだ
洗面臺や便器にうずくまったりしないし
胡瓜を見て氣絕 ....
睡
雨
雷雨
悪態
遺伝子工学の世界からやってきた
遺伝子を操作するワクチンを接種して
mRNAという遺伝子を
体の中に打ち込んだ人は
遺伝子を組み換えされた食品などを
もういやだと拒否できなくなった
....
つがいになったんだって
そんなの考えたことなかった
考えたことなかったけど
なんかいつの間にか
つがいになってたんだってさ
昨日と明日
ネジとドライバー
太陽と海
シナモンとウ ....
その秋、ユレは泣かなかった
毎日、悔しさに、哀しみに、怒りに、高揚に、ユレの心は動いた
夜だった
寝室に忍び込んだ、はやるユレにうながされ
私たちは
真っ暗なコスモス畑を走った
林の奥に
....
優柔不断をバランス感覚だと誤魔化しているだろう?
綱渡りに憧れてはいるが
綱の張り方を知らないだろう?
綱さえうまく張れればそう落ちることはないんだよ
500ワットの電子レンジがキッチンで ....
擦れ合うふたつの金属のような
疫病の女の叫び声が
複雑に入り組んだ路地で反響を繰り返し
縺れ合っては消えていく雨交じりの夜明け前
悪夢から滑落した俺は
自分がまだ生きているのか確かめてい ....
今まで見たことのない世界って
今まで誰も見たことない筈なのに
さもありなんと言う世界を演出して
テレビや映画や本に
よく出て来るよね
それ絶対おかしいだろ
誰も見たことないんだった ....
大雨が滝のように降り続いている
人間の世界に自然があるのではない
自然の中に人間の世界があるのだ
人間も自然の一部に過ぎないのだ
勘違いしてはいけない
人間がどんなに科学を発達させても
自 ....
もの忘れならまだいいが
認知症になれば大変だ!
もの忘れの自覚のあるのうちは
加齢などによるもの忘れだが
認知症になるとその自覚がなくなる
また、探し物を自分で見つけようと努力するうちは
....
暗い風が吹いた
濃くあかるい夏空の下を
暗い風が吹いた
暗い風が吹いてもなお
夏空は濃くあかるく
白くかがやく雲を湧き立たせた
蝉たちは鳴き 鳴きやめ また鳴き
鬼百合 向日葵 百日 ....
このコロナ禍の中で
現実からは目を反らし
こんな風に作品投稿していることに
疑問に思わない
感覚のズレ
って何なんだろう
詩人特有の症状なのかな
アハ
アハ
アハハハハ
笑 ....
頭から夜をかぶる
花の枯れる匂いと音、種の割れる、うっとうしげな身じろぎ、あくび
のびては千切れる翅
近づいては崩れる影
もう食べてしまった
それからまた食べる
際限なく伸びる、縮む
音 ....
尻が
がくがく
叫んでいる
一本のボールペンがあれば
「愛してる」と書ける
一本のボールペンがあれば
「ありがとう」と書ける
一本のボールペンがあれば
「あたし幸せ」と書ける
一本のボールペンがあれば
「あたし苦し ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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