僕が指を差した花に
君が名前を付ける

花は揺れながら
頷いたり
首を傾げたり

調べれば分かることも
そのままにして
柔らかい君の声が
聞きたかっただけ

この道の先で
い ....
乾いた空気は異国の情緒を含む
日本のそれには湿気が含まれ
夢見ることさえ忘れそうになるけれど
現実的なことを言いたくもなる
ほんの束の間の逃避行を
澄んだ空の下で味わうことが
できるだろう ....
バナナが
バナナでなくて
何だろう

何だろう

黄色い顔して
艶やかで
人を
人間を
斜めに見ている

少し小馬鹿にしたように
鼻でふふんと笑いながら
愛嬌など微塵も見せ ....
宝石のような羊羹にフォークを入れる
思い出の栞に突き当たる
透明だった羊羹が揺らぎ始めた

深夜3時のアスファルト
波打つ海の深い色
リハで使ったスタジオの匂い

あの頃の君は君のまま ....
古窓の向こうに貼り付く蔦の葉に
監視されているようで
居心地の悪い部屋の中
しばらくは身動きもせず
ただ辺りを見回している

微かに聞こえるのは犬の遠吠え
否、渡り鳥の羽ばたきだろうか
 ....
あの、もと運動部特有の、「皆で同じ方を向いて同じように頑張る」みたいな考え方あるじゃない、いや考え方っていうかもうただのクセみたいな感じなんだと思うんだけど、もう思考の領域じゃないようなさ、ああい .... 海底の都市から見上げた空に
着水する紙飛行機が
ひろげる波の敷布と
雨だれがからむ

おおきな口で
迫るもの
不意に肩をだきすくめる
水草の気配
ここでは誰もが作曲家だから
ことば ....
私はきみを見つけられない
運動会で
通学路で
秋の遠足で
みんなおんなじ格好
赤いスニーカーだけが目印

毎朝、玄関で
ギーギー鳴らして靴紐をしめる
ダイヤル式のスニーカー
みんな ....
幻想の庭に咲く
赤々と艶やかな大輪の花を
呪い殺すように千切って
淡い光跡を残し貴女は沈む
深く澄んだ泉の底へ
湧き出る清水はこんこんと
幻想の庭を打ち壊し

なにが訪れたのだろうか
 ....
雨があがると見つかる落ち葉は
いまにも崩れそうで
そらの葉脈を
懐かしく見上げる
古墳の町で食べたたこ焼きが
まるくなる瞬間
わたしの壊れずにいる肺もいつか
ことばを持たないもの達にふれ ....
青い青い空が広がった
完璧な青だ

コンビニの旗がはためいて
吹き抜ける秋風の歌が躍動する

歩き始めたばかりの幼子が
風によろけて道に倒れ泣く

溢れる涙は銀に輝く陽光の糧、
光 ....
 夏が来るのを待ちわびて

 日差しの変化を追っていた

 弾けるように外に出て

 吹き出る汗を海に流した

 いつまでも沈まない太陽に

 お別れを告げることまなく

 ....
手をあてて
胸の鼓動を掌で
聴くのは君の心を聴くため



きょうもまた
そんな目をして拗ねないで
可愛いえくぼが濡れそうにみえる



葉脈を
陽射しに透かし ....
おれの名前は泥つきのスコップ
またの名を墓あらしのスキップ、あだ名は泥まみれのステップ
赤錆の返り血をあびたあばら家に
おれをそっと 逆さに立てかけてはくれないか

   おれは自由であ ....
おしよせる 一切の祈りを
ものともせず 飛んでいく
あおい飛蝗たち

届かないと知りながら
対岸へ跳ねた
少女だった 絶望だった
永久みたいな 夏も暮れかかり

ソーダの飛沫にも ....
古いロッキン・オン、適当に取り出してペラペラめくってみれば
ミック・ジャガ―がヴードゥー・ラウンジツアーをしてたのはいまの俺くらいの歳だった、まいるぜ
もちろん比べる相手も時代も違うってわかっ ....
心からの憐れみを
僕の首すじに当ててください
その湿っぽいやさしさを
信じることが
歩くように生きることだと想うから

街は嫌なことなんか
なかったと云い張る
崩れおち、 ....
ジョギングで夕暮れの道をゆく 
いつもと同じ川沿いの道

途中で道をそれて
無心のままに
坂を上っては下りているうちに・・・
ふと、見知らぬ場所へ出て
立ち止まる  

そこはどうや ....
日々の狭間に{ルビ疼=うず}く声を
告白した君は
夜にうずくまり、自らを守り
静かな力を蓄えている

苦しみ、惑い
やりきれない
悔し涙の落ちる{ルビ音=ね}が響く
この夜

遥か ....
ゆらりとゆるくといて。

土だらけの校内放送は 杜撰な草の上で 海水が透ける、ジャズの存在を
感情の雫と肌に当てる、光合成のただ 
曲線の坂。レース間際の新しい風の中で

 ボクは 

 ....
朝でもなく
夜でもなく
その青に
重さを与えて
僕は生きる

綺麗なものが
壊れたら
それに相応しい
話を書きたい

愚かでも
未熟でも

さよならが付き纏う
日々の中で ....
響きのなかに潜むモノ
闇のなかで光るモノ
遠い郷愁を掻き立て
内なる未知に
意識を招き入れる

波打つ旋律、躍る木霊
意識はその残響に包まれ
これ以上ない歓びに貫かれる

意識は待 ....
静かな朝だ、秋風吹く
走り過ぎる車の影が
澄んだ青空に映り透けていく
私の肉は相変わらず痛み
浮き立つ意識を押し留める

人よ、人よ、何処にゆく
時間は世界は
こんなにくっきり今此処に ....
なり損ねたものがあるなら
駅の売店でアイスでも何でも買って
座る席も無いから
しばらくは開かないドアの手前
流れる景色を見送りながら
さよならとも
うんともすんとも言わないで

ああそ ....
二〇二一年九月一日 「加藤思何理さん」


 加藤思何理さんから、詩集『おだやかな洪水』を送っていただいた。おしゃれなつくりの詩集だ。さまざまな方向性をもった詩篇が並んでいる。物語性をもった詩篇 ....
一度は誰でも
通る道

ひき返せなくなる前に
誰もが一旦
つまずく道

僕らが生まれた頃には
すでに道は
できすぎていた

石ころ蹴って
道草くって
立ち止まってから ....
ペンギンカフェみたい
沈みそうな旋律で歩く
たまに目が合う女神のような街に
投げつける豪速球
勿体ない勿体ないって、全部本気だったんだから
罠にかかった小動物、逃がしたりしたら笑われるね
 ....
静寂を恐れているみたいに
世間は騒ぎ続けている
みんな自分のことを考えたくないのさ
小虫のようにまとわりつく真実のかけらのことを


街灯に拘束されたスピーカーからは
イージー・リス ....
翼が
溶けてゆく
悲しみに泣く天使は

今が
どれだけ大切なときなのか
わかっているのだろうか

泣いているときではないと
わかっているのだろうか

ほんとうのことを
 ....
朱天黒の篝火が爆ぜる

目眩の中で炙られる白昼夢の散弾を集めた
贄に均しい極熱、滾るような炎天のまばたき
吐出を嵌めた雪月花を、身に埋めたような心地で

のぼせ上がる四季を撫でてしまえない ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
花唄ミナト 螢022/9/7 18:24
ほんの小躍り坂本瞳子022/9/7 15:33
バナナ妻咲邦香022/9/7 8:34
羊羹XIAO122/9/7 7:58
向こう側は坂本瞳子022/9/7 7:06
Let's rollホロウ・シカ...0*22/9/6 23:19
海底の空soft_m...222/9/6 22:23
赤いスニーカー小原あき2*22/9/6 21:32
幻想の庭ひだかたけし222/9/6 19:11
雨あがりsoft_m...122/9/6 18:55
青に包まれてひだかたけし322/9/6 11:32
秋恋し佐白光1*22/9/6 9:27
あんな嘘でも許してくれたね秋葉竹022/9/6 0:29
泥つきのステップ菊西 夕座0*22/9/6 0:17
ばったはるな222/9/5 23:18
まいるぜホロウ・シカ...0*22/9/5 21:45
夜のうた秋葉竹222/9/5 21:01
ランナーズハイ服部 剛022/9/5 20:39
022/9/5 20:36
誤 植あらい022/9/5 20:29
僕の色ミナト 螢022/9/5 20:14
意識という舞台で・マニフェストひだかたけし322/9/5 19:22
人よ、人よ322/9/5 11:40
フィドル妻咲邦香222/9/5 10:51
詩の日めくり 二〇二一年九月一日─三十一日田中宏輔13*22/9/5 0:02
道のその先シホ.N122/9/4 23:48
ピクニック妻咲邦香022/9/4 23:24
燃えているか、リトルタウンホロウ・シカ...0*22/9/4 21:55
さみしい青さ秋葉竹122/9/4 19:28
朱天黒あらい022/9/4 19:20

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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