花の匂い まちの匂い 文の匂い
というものに
あこがれて 今でも
色色なものに なってみますが
わたしには今でも
秋の夕暮の忘れもの、
雨ざらしの古い花瓶、
それとも何も書かれて ....
話しそびれてしまって浅い水路で風がわらう
ぼくたちのてのひらで火傷した蛙の
フリーズと
ラケットを肩にかけた生徒たちが
それぞれの家に帰る
ざ ....
待っていた
あの日
あの場所
あの人
仕
事
柄
殺
さ
れ
る
夢
で
目
覚
め
る
娘達はそれぞれの朝を淡々とこなし
不可解な冗句に化身し消えてしまう
陰
毛
も
生
え ....
外界があるのに
自分だけに関わり
ひたすら孤独な創造作業をしていかなければならない
彼方から打ち寄せてきた世界を
創造して 創造して
内的な孤独に没頭する
宇宙の闇の時間、
宇宙の真夜中 ....
その昔
トレイシー・ローズの
ポルノビデオを見て
初めて二穴同時攻め
という行為を知り
衝撃を受けた私は
何となく
二兎を追う者は一兎をも得ず
と虎穴に入らずんば虎児を得ず
を合体さ ....
○「気持ち」
愛があれば
気持ちまでわかる
愛があれば
愛猫や愛犬の気持ちまでわかる
○「変わらない心」
嵐がきても
変わらない心こそ
愛という
○「生きる」
世の中には
....
ああ 神よ お待ちください どうかどうか
彼等は間に合わなかった そうなのですか
私には信じられない そんなことは
彼等を止めてください 彼等は
彼等は自分が誰を踏みつけているのか
分かって ....
AM03:09
開けるべき扉を失くした鍵が
中空で揺れている
意識に垂れ込める
半透明の暗い流体
AM04:23
中空の鍵は
かぼそい声で祈っている
薄紫の波が
幾枚か水 ....
閉塞してはいけない
開脚もしてはならない
同じ条件のなかでプログラムするならば
遁走する豚の尻を追わなければならない
複雑なきみはミニマムな自己を取得したかい
僕はきみをいつ ....
なれなかった
ワル
優等生
出来なかった
トンがる
はみだす
届かなかった
栄光
成功
ツカんだ
しあわせ
スーパーで11円の麩菓子を
一つだけ買って
ポケットに入れたおいたレジ袋に
製氷機の氷をもらって帰る
スーパーの駐車場の車に乗り込んで
マスクを外して
車の窓を開けたら
雨が降りだした
....
天国で切れた糸が
ピアノみたいに
足を踏む
痛くはないけど
指に宝石を
残したりして
拭えない夢が
きらきらと光る
運命とは違う色の糸を
選んでしまったから
繋がってい ....
マスクの上の
おまえの瞳に
俺が映っている
おまえの瞳に牽かれているのか
自分の姿が気になっているのか
俺にはもう分からない
ただ、おまえが
俺を見ていることだけは
確かだ
....
やみくもに生を渇望し
容易く壊れてしまう
望みを重ねて
今日を凌ぐ
イザベラ、君は今、
何をして、何を想っている
遥かな首都ソフィアと
猥雑な地方都市、新居浜に
隔てられているけど
....
詩人に嫉妬して咄嗟に拒絶した
同じ人間と思えなくて思いたくなくて
深く関わっちゃだめだ
人生を壊される
笑うけど本気でそう思ったし
教室の席でじっと教科書を眺めながら 生まれ ....
誓い
永遠約束
忘却
雲散霧消
{ルビその日こそ=ディーエス・イレ} {ルビたみの怒りの日=ディーエス・イラ}!
悪徳なるもの 全て裁かれ 炎の中!
我らは憩う かみの庭
食卓を囲み笑う 感謝の中
利権に血迷う 金の亡者 ....
めっきり朝晩が冷え始め
気づいたら
平面的に見えていた街全体が
いつの間にか
深い立体感とコントラストを増してきて
遠景はどこまでもクッキリと
見えるようになってきた
太 ....
ウルトラセブン
凶悪なアソウノザウルスと
質の悪いアベノドンも
スペシウム光線で
やっつけてよ
カブールのニュースを見ていた
七つ釦に憧れた少年だった祖父が
「あれは昔のあれといっしょやな」
ふと思い出してつぶやく 諦めたように
いにしえの教えに戻りたい人たちが
キリスト教 ....
何十年かぶりに
ウルトラセブンがあらわれて
凶悪な怪獣、スガノドンを
スペシウム光線で
やっつけちゃった
オールドファッショングラスに
大きな氷山のような形をした
氷を一個入れて
メーカーズマークを注ぐ
メーカーズマークは美味しいよ
どこかで誰かが泣いている
寂しいよ、 ....
○「泣き声」
隣の双子の赤ちゃんの泣き声が
毎日聞こえてくる
愛あるお母さんは
「何で泣いているのか」
わかるんだろうな
○「居場所」
何をやっても許される家庭で
育てられる子ども ....
思春期
悩
存在理由
成長
不明
どうでもいい
これは瀆神に非ず 篤信の祈りなり。
愛に憧れたさる娘が、
傾倒と幻想の末に見いだした
祈りの散文である。
故にこの書に法則は無く 拘束も無く
また侮辱を受けるに値しない。
ダビ ....
開いた手には
夢が一つ あったのだった
バスの向こうの通りに漂う
夏の匂いのしていた日
あの日の思い出の風景
手には いつも
はまぐりの味 そして
歩いていただけの海
ここに来たのは
いったいどれくらいぶりだろう
遅い昼下がり
海岸沿いの辺鄙な道の駅は
物産品を買い求める人々や
ソフトクリームやドリンクを注文する人々で溢れかえっている
少年たちが ....
ひとりぼっちは
毎日、蟻の列を眺めていた
ひとりぼっちは
毎日、近所の猫とじゃれていた
ひとりぼっちは
夏休みにお婆ちゃんから貰った
花火の詰め物が勿体なくて
湿気るまで ....
最初の一行は
勢いで書き出す
何でもいい
目の前に夕食の餃子があるならこうだ
私には
餃子のように飛べない羽がある
見てくれだけの羽がある
しかも私の羽は
パリパリと音を立てな ....
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