あたしの頭が狂ってしまったとき
それを愛と思っていた
「この愛こそが、あたしのすべて」
そんな真実の声をもらして
そんな恥ずかしい心を吐露して
「愛は、あたしを、愛してく ....
なにも考えることがなく
時の流れの中で眠りに就ける
幸せなことです
昼間の出来事を引きずっている
体に巻き付いたおもりはお
時の経過と共に重くなり
....
戦士エイソスは、最初は密偵として、
アイソニアの騎士の元に遣わされた。
というのは、アイソニアの騎士が善なる者か、悪なる者か、
元老院の長老どもには分からなかったためである。
アイソニアの ....
戦士エイソスは、クールラントの東の外れにある、
ディペルスの街の出身だった。
その出自は高名な貴族の家系で、
とくに剣と弓矢の扱いに秀でていた。
しかし、アイソニアの騎士がエインスベルや盗 ....
英雄の生を語るには、その死をもって始めなければならない。
なぜなら、死こそが人間の生き様の帰結点なのだから。
アイソニアの騎士のような男にとっては、なおのことだ。
なぜなら、その生は謎に包まれた ....
件の集合体の記憶が 藻が映えた時間軸に 絡まるは
水母たちの引き算の都市。天の川を密かに
その箱に透いたから 残照が酷く歯がゆく囁く
言伝の檸檬紅茶が 暈を増やす痕を滲ませている ....
海からの手招き
ちいさく
おいでおいでと飛沫をあげて
幾千の光があなたを呼ぶ
神の隠した浮島が
夕陽の産卵に砂を捩らせ
浜辺を涙で湿らせる頃
あなたの瞳にひそむ楷が
海底の椚に突 ....
わたしは ただ待つだけの時を
星に探し 森に尋ねた
ことばにも 求めたけれど
たましいが 足りない
精白された なぐさめとは違う
鈴玉や絵筆 ひと粒の宝石
形ある願いや 祈りとも違う
....
誰にも言わない
イタズラな寂しさは
痣にして
空が隠すもの
静かだけど
無口だけど
心と共に
歩いてくれる
いつか前を向いて
言葉が生まれる時
どんな日でも
きっと裸 ....
いつしか始まった
近所のライトアップ
年々パワーアップして
年々凝ったものになり
見応えのあるライトアップ
近所のライトアップが
今では地区全体に広がった
ローカルニュースで ....
さみしい思いをしていたら
母親がゾウを買ってきた
我が家は1DKだけど
ゾウ一頭くらい
生活する余地はある
問題はどうやって
ゾウを部屋の中に入れるかだが
販売業者はお手のもの
手際よ ....
ようやく畑にたどり着いた
遠くを見て佇む案山子ひとり
腕はだらりと垂れている
そばへ歩いてゆくと
帽子を取ってお辞儀をしてくれた
私もお辞儀をする
顔を上げると案山子は
帽子を持って ....
夏の間から時々云われてた 頭の中に住んでいる声から
「ハンドクリーム塗ったら?」と
だから私は車の中にもハンドクリームを置くことにした
信号待ちにささっと乗せる 手の甲に 年齢の出るパーツ
....
私はマバタキするたび、タイムスリップする。
江戸時代→安土桃山→原始時代。
ティラノサウルスの小さな両手に、握り潰されるような恋だった。
Wi-Fiに触れると、死ぬ体だから、もう地球 ....
クリスマスが近づくと
スイーツの王国が
輝きを増してくる
王国を支配するのは
クリスマスケーキという国王
この時期になると
必ず世界中でつくられて
その名声をあげ
盤石 ....
カーテンの波間には素肌の得意げな君の
振りまいた泡沫の陽炎が織り込まれている
右頬から愛し合って薬指から零れていく星星が
、輪になって おくるみに沈んでいる
便りない、まっさらな風に乗る ....
裁断された
光チューブの切り口が
ブラインドから
漏れた光をかき集めて
輝く。
僕らを見ているように。
作業台の向こうで
男達が今後の休職者の扱いについて話している
滞りなく
....
アキレス腱を挟むようにして
足の外側と内側が冷える
こんなときは足が浮腫んでいる
冷え性の症状とはこんなものか
手で挟むようにしてさすってみる
厚手の靴下を履いてみる
片方の足の裏側で
....
あなたと離れてから
全力で生きるのをやめた
どうせもう笑えないし
涙の落ちる場所に
羽根を置いて貰えないから
黒いコートを羽織った
カラスみたいに
冷たい手を出して
はしご ....
何もかも整っているのに
整ったものたちを
壊して行く人が
まぶしい
手を伸ばして
届かない
この感覚が欲しかったのか
ピンクムーンに照らされて
今宵、彼方へと旅立とう
仄かな明るみと陰影と
小刻みに震える声達が
旅の一瞬と永遠と
微かなその予兆すら
静かに呑み込み
消していく
ピンクムーン、ピンク ....
「とおこちゃんはしんでるからね
生きなきゃね」
と言う友の
その無邪気で純なやさしさの
受け取り方に戸惑い
そういうあなたは
「もうがんばって生きてるから『生きてね』と言わないでくれ」 ....
一列にピシャっとトミカを並べて遊んだ形跡
塗装の剥がれた車たち ふかふか布団の上に整列
ああ愛おしいな かわいいなと親の眼差し
その時 私は後ろの後ろから一線を見た
大人 ....
季節を思い出した この冬に
時間のないジェットコースターに乗った感覚で
花を一輪大切に指で包む 会話を弾ませる 微笑みを正面に
時間の感覚を麻痺させる脳処理をして
この ....
マリトッツォになりたいと
マリトッツォは思ってます
既になっているようだけど
到底にして満足いきません
大胆不敵に広がった口から
ローマの風を吹かそうとの
勢いを邪魔するクリームが ....
起きたら、全部の指が親指になってたから、
マニキュア塗る領域は、壮大。
ブラックホールの中は、1LDK。家賃は5万。
大島てるで見たら、超がつく程の、事故物件。
スロースターターな、精液は、テ ....
一輪の花がゆっくりと、蕾を開く、宵の夢
創造のわざは、私のなかに働く
私を支える茎は背骨、密かな光合成をとめず
今日もわずかに、背丈を伸ばそうとしている
たとえまだ、日の目を ....
なくしてしまった
兄の釣針を探しに
僕は海の底へと降りていった
そして針が刺さったかのように
姫と出逢い
糸で釣られるかのように
姫に惹き寄せられた
この海の底に
青々とした宮殿があっ ....
向こう岸に移る山崩れを即興する
格子の廊下の底が、またたくあいだに、
亡くなった人々が、浮かんできます
輸卵管から噴き出す、落葉樹の後にも先にも
無抵抗な琴線を生まれながらにして破れ
手 ....
こんなクソ寒い日
障子紙がえ
みすぼらしいらしい
寒い日
声がデカくなる
「詩とはなにか」
白紙でいいんだよ
だろう
障子紙なんか
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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