姉妹のなかで、エインスベルだけは、ファシの街に奴隷として売られた。
ミーガンテ・アリア・ガルデは彼女を許したわけではない。
まだ幼い彼女を奴隷にしてしまえば、
その刃は彼女には向かないであろうと ....
そのころエインスベルは、復讐の準備を始めていた。
これは、歴史書にも記されていないことだが、
エインスベルはファシブルの国の元第三皇女だったのである。
ファシブルの国は女系の国家である。

 ....
創作活動に勤しんでいるのは
気持ちが迸るからなんて
そんな格好を付けたことを
言ってはみたいものだけれど
本当のところはそうでもなくて
ただなにもすることがないから
とは言わないけれども
 ....
ときの流れが
千代(ちよ)のおおぞらを
やさしく流れていっただろ?


お楽しみは
これからだ、と

やさしく髪を梳いてくれる
そのわけを聴かせてよ?

やわらかい印 ....
異郷の地に立って
根こそぎにされ 
もう何も残っていない
荒涼としたノスタルジア
魂の奥底から滲み出て
北の国より吹く風になびき
遥かコバルトの海底に沈む

日を追うごとに
紋様はこ ....
石油になっていく鳩の群れをみていた


盗み見られることで失われるものなどなに一つなく

ウォールストリートジャーナルと朝日の波間で
水鉄砲を撃ちあう月曜の子供たちが

迎えの車を ....
冬の曇天が続き部屋の中は寒い
セラミックヒーターから出る温風だけが温かい
背中で詫びながら
16本390円のフォルテをまた買ってきた
1本149円のコカ・コーラも止められない
赤字覚悟の確信 ....
伸びきって千切れることがある
寄り切りということがある
瞬発的ではなくても
加圧の果てに砕けると
加圧をやめようと思った
やや広いこころで歳をみた。
相も変わらず不条理な幻燈ばかりじゃないか?
地殻に映る現象なんて!
ひとの あかるい静寂に
三月の 翳りを払い
透き通る 母の微笑みと
掲げられた 父の腕と

誰一人 見知らなくとも
写し出すものを 瞳の中
いとおしいと 

めぐるものたちの ....
ときは変わり
むかしを無かったことにしてくれたら
たいせつなものを
忘れてしまっても
かまわないだろうか?

そんな夢をみた

そこではこの手に
なにも持っていなかった

 ....
わたしたちはいつも
夜のなかで 朝を想ったし
眠りのなかで 目ざめを待った
つめたい腕を合わせながら 熱い言葉を望んだし
すれちがいざまに 永遠を願った

決してあらわすことのでき ....
果てしがないように思われる
このトンネルを抜けることができるのだろうか
どこまでも続く暗闇が尽きるところがあるのだろうか
仄暗い誘導灯が足元を照らすけれど
明るい陽の光は差し込んでさえこない
 ....
二〇一九年二月一日 「現代詩集」


 集英社から出た『世界の文学』のシリーズ、第37巻の『現代詩集』は、まず学校の図書館で借りて読みました。のちのち、ネットの古書店で買いました。ウィドブロの『 ....
こうべをあげて
青い空が広がって
静けさが辺りを包んでいく

昨夜の恐怖と奈落の底と
窮地を脱して迎えた朝に
廻る球体は光りを投げ掛け
今日の救いを差し伸べる

静けさが満ちるこの朝 ....
「幽冥界には知られてはいけないことがある」アゴンザカルは呟いた。
それは盗賊ヨランに向けたものでも、そうではないようにも思えた。
「世界を支配するのは、幽冥界こそが適しているのだ。
 天国でも地 ....
(エランドルとは誰のことか?)ヨランは心のなかで呟いた。
そこに、天にも轟くような声が響いた。
「そこにいるのは誰か? ここは幽冥界であるぞ。
 誰もここに入り込んではならないのだ」

それ ....
はじまりは夜の公園で
同級生とタムロしていて
そして煌々と
自動販売機は虫達を従えながら
少年を挑発するのだった





マイルドセブン
マルボ ....
何も考えることもなく
午後 ノートに詩を書いていた
通り過ぎていく電車を見ていると
感じ取ろうとする電車は不確かだった 
歩いていたのは 僕だ
道で行き場をなくしていたのだが


書く ....
優しくできる心があるのに
優しくできる力がない
優しくできる力をつけたら
優しくできる心をうしなった
優しい心と力の加減やバランスが分からず
誰かを傷つけながら誰かを優しくし
自分に優しく ....
えー、んー、と、ごめん、誰だっけ?
誰でしょう?
田中?
そう、タナカです
うそ! ちょっと変わりすぎ、まじ、田中!?
ハッハ、マジタナカです。
おれは知らない同窓会に参加する
知らない ....
地下鉄の
甘ったるい渇望を乗り継いでる
どんな嘘も許されるし
どんな事実も みのがされる
そういう街で わたしは
スピードに乗るのをおぼえたのだ
鼓膜の炎症と診断され
メスで切開する簡単な手術を受けた

痛いですよとの説明どうり
痛かった
確かに痛かったが
症状は嘘のように楽になった

あの先生は名医だ
その思いを強くしながら ....
現実から逃げるという現実から
更に逃げること

事実を曲げるという事実を
更に曲げること

誠実を装った嘘を
更に重ねること

そんな避難で生き残れば
更に苦しむけど
終わる苦し ....
視界の端に映る太陽の中心を逆十字に彫り上げて背徳の日陰の中に今日の悪魔が現れる、よう、惰眠は済んだかい、今日のお前は昨日のお前よりも確かかい、とからかってくる、俺は無視を決め込むがやつは満足しない .... 言葉がでない心を知ってほしい知ってほしくもない


朝食の味のないレタス半分くらい食べた
ムシャムシャと義務感で食べた気がする
だれに対する義務感だというつもりか?

少し焦がしたバ ....
しかし、カジガンデの宝石は生きていた。
誰かが手を触れようとすると、たちまち結界を張ったのである。
盗賊ヨランは、電撃のような刺激を受けて、思わず手を引っ込めた。
「宝石を盗むことは諦めよう」
 ....
盗賊ヨランでは、幽冥界の一つ、カジガンデにも行ったことがる。
幽冥界は、天国とも地獄とも、現世とも異なる異界である。
そのことは、酒場でのヨランの恰好の話の種となった。
では、ヨランは何をしたの ....
何回
風や雨に身も心も
晒され削られただろう

何回
壁や木に火花散らし
気絶し殴られただろう

何回
靴や石にギリギリ
踏み潰され続けただろう

無限ではない
数えられない ....
誰を求めている?


うそ
ほんとに求めてるのは
自分に関わる平和
人恋しいわけじゃない

窪んだ胸に
焦って何かを詰めようとして
切なくなって
人を求めていると
勘違いしただ ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
復讐の始まり(二)[group]朧月夜2*22/1/19 0:33
復讐の始まり(一)[group]1*22/1/19 0:33
本音かなぁ坂本瞳子2*22/1/18 23:08
愛の歌秋葉竹222/1/18 19:51
ノスタルジアひだかたけし822/1/18 18:06
投票の朝末下りょう3*22/1/18 17:23
みんな疲れているんだよジム・プリマ...7*22/1/18 17:03
ダイヤモンドの砕け方りゅうさん322/1/18 16:54
狭い目ナンモナイデ...2*22/1/18 13:48
BLESSING津煙保存2*22/1/18 10:34
ときの流れるゆめのなか秋葉竹222/1/18 7:17
ささやきはるな422/1/17 23:29
走り続ける坂本瞳子1*22/1/17 20:49
詩の日めくり 二〇一九年二月一日─三十一日田中宏輔13*22/1/17 20:27
この朝にひだかたけし722/1/17 19:17
幽冥界のヨラン(四)[group]朧月夜2*22/1/17 8:49
幽冥界のヨラン(三)[group]1*22/1/17 8:48
短歌にも成れない愚かな詩の残骸TAT3*22/1/17 6:01
午後の風景番田 222/1/17 0:22
バランスリィ1*22/1/16 22:19
マジタナカゼッケン222/1/16 14:53
地下鉄はるな322/1/16 12:44
耳鼻科の名医壮佑4*22/1/16 12:24
非難される避難イオン022/1/16 11:47
Through the Past, Darklyホロウ・シカ...2*22/1/16 11:45
ビューティフルな詩を(あ、うそです。言ってみただけです)秋葉竹122/1/16 9:52
幽冥界のヨラン(二)[group]朧月夜1*22/1/16 8:41
幽冥界のヨラン(一)[group]1*22/1/16 8:27
何のために宣井龍人4*22/1/15 23:15
窪み木葉 揺022/1/15 20:53

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