二〇二一年四月一日 「時のいたみ」
ロマンティック時間SF傑作選『時の娘』の5作目は、バート・k・ファイラーの「時のいたみ」10年の歳月をかけて時間旅行したのだが、それがあまり役に立たなか ....
幸福とは笑顔のことで
夏休みの子供にあって
土日の大人にないもの
幸福とは未来のことで
無計画にあって
心配にないもの
幸福とは夢中のことで
このセミにあって
わたしにないもの ....
遠く奥まる意識が
貴女に近接する
計り知れない高みから
雨は降り続け
柔らかく思考を包み込む愛
天空で舞い散る花火
音楽は鳴り続け
束の間の永遠に身を任せる
送った手紙 ....
流行の作用が強い幽囚の錆びたスマイルを
ボイル仕込の平行四辺形の紙切れいちまいに浸す
足の向くまま気の向くままに しかし思うように動かない
雪を掻くようなバカンスを投げつけ見下げ果てる
....
入道雲へ
独り言
過去も
未来も
今ではない
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
灼熱の中に立ちながら
ここまでの道程を思う
陽炎の中でさ迷いながら
呼吸をしていることに気づく
年月の寄辺に佇みながら
喪われた心を思う
歳月の波打ち際にさらさ ....
窓の外は夏
見つからないのだそうだ
あの日、Aの身体を貫いた
一発の銃弾が、どうしても
Aの体の中にもなかったのそうだ
本当に、隅々まで、探したの?
Aの体の中に入って
奥の ....
「博士、ついに完成しました
これが掃除機を掃除する掃除機です」
「そうか、できたか
冷蔵庫を冷やす冷蔵庫も大変だったが
これは、かなり難航したな
便利なものの不便を解消することが
....
自分の焼死体を引きずって歩く
照り返しは閃く刃物
陰影は深くすべてを潜ませて
輪郭の途切れから染み出して来る
夜の水の囁きに指をあてながら
ひとつの響きが起こる前の静けさ
ひとつの響き ....
透明すぎて何も見えなくなった視界を
侵蝕する夏
振り向いては駄目と云った
爛れ落ちてゆく意識で
最後に何を感じたの
ああ {ルビ懶=ものう}い
純粋ごっこの残滓に
濁った火をつけ ....
熱波渦巻くこの街に
晴れ渡る青が落ちて来る
目覚めた意識は盛り上がり
生きて在ることの凄さに打ち震える
疼痛発作の間に間に迫る世界
知覚と思考を圧倒し
銀の輪舞を繰り返す
ピースしても心は怖れている。
そこの隙間の開いた歯はわたしを猛烈に嫌悪させる。
「強烈」「ひどく強烈」の、大きな努力は、数人の子供に笑われていた。
どぶに落ちた、一生懸命。一生懸命をしたら、いろ ....
私の骨を粉々に砕いて、撒いた
丁寧に幾度も叩いて粉々にしたので
さながら机上にのみ立ち現れる楽園の一片
真白い砂浜の一掬いのようだった
私を制御しきれない時間
私という生き物について考え ....
美しい響きの渦に呑まれていく
静かに波打つ大海原
残響は遥か魂を震わせ
遠い親密な記憶に接続する
掘り起こせ、今夜
掘り起こせ、記憶の痕跡を
神々が吐き出したこの世界を
最後に成就し ....
○「コロナ感染拡大」
専門家の先生方には
これから先どうなるかという
「見通し」を是非お聞かせいただきたいです
○「岸田政府のコロナ感染拡大対策」
今までの政府と違って
どこか楽観的な ....
俺の高校は運良く鴨川のど真ん中にあって
学校終わりに徒歩で
梶井基次郎が檸檬を買った果物屋に行けた
そこで本当に檸檬を買って
実際に丸善に爆弾を置きはせ ....
祈る人を踏みつけて
列車を待ってる
壊れた調味料入れを
ひっくり返して
パンくずを食べている
どこまでも
膿んでいる
どこまでも
膿んでいる
初めての夏の中で
うろたえて、 ....
【画面上に重なる夢とは?】
AとBの折れ線グラフ、盲!妄!
:心臓がまた強く→なった。
・この増水によって干からびた
覗いた「囚われない」眩しいほどの快晴が無表情に紛れてる
おとことお ....
日本サル党党首
高崎山ボスザルの
高崎山大五郎です!
サルにも基本的サル権を!
という世界的な動きに伴い
この日本でも日本サル党を
結成し、参議院選挙に立候補した
次第です
ただ人間だ ....
これは
民主主義への挑戦である
違う
これは
私怨である
Aガー、Aガー
といっていたのは
Yではなかった
Aは撃たれた
Yによって
Yは、Aを
評価もしていたし
....
詩ですべてにおいての表現が許されるのだとしたら、
詩はただ個人のためにあるのだともいえる。
個人が自分のために書いた詩など、
誰が読みたいかと思われるかもしれないが、
他人が他人のために書いた ....
舞い散る雪が
街灯の明るみに
純白に晒され
夜行バス
俺の膝の上で眠る
愛娘
この幸福は
長くは続かないと
予感した
冷え切って
独りで臨む
世界は
その裸形を
剥き出し ....
暑くなると
氷りを使うことが増える
涼しさが欲しくて
氷の触れ合う音が響く
品のある涼しさに変える
氷りを口に含ませて
全身に涼しさを行き渡らせる
一瞬の魔法のよう
すぐ溶 ....
姉が玉子焼き用の四角いフライパンで
目玉焼きを焼いている
合う蓋はないので
横から湯気は洩れるが
面白い発想に見えた
僕は丸い小さめの普通のフライパンで
目玉焼きを焼く
かように ....
いつからか指先に付着していた錆色の凝固した血液は、なめてみると土にしか思えなかった、まだ数分しか経過していないのか、それとももう幾時間か経っているのか、いまはまるで判断することが出来なかった、空気は雨 ....
今し方までボクとおなじぐらいの松林の、
ついたての破れ目がそこいらから
背に射して、
唇を添えて、
通じるオルゴールのようにまわっていたよ。
熱したそこをものにして
>向こうは 鳴る< ....
究極の贅沢を味わえると聞いて人間になったが
今に至るまで何ひとつ贅沢なんてなかった
お金はないし家はボロボロ身なりは最悪
そして数十年我慢し続けたけど
贅沢どころか毎日が不幸の連続だった
何 ....
○「ワイフの外出」
「ねえ、お尻見えない?」
「だれもお前のお尻なんか見ないよ」
「ねえ、眉毛左右同じ?」
「だれもお前の眉なんか気にしないよ」
「ねえ、これハデかなあ!」
「色は関係ない ....
この盛夏、
蝉の声を初めて聴いたよ
朝だ、朝
一日はもうとっくに始まっている
目的と目標を携え歩く人々
僕は世界が在ることに
ただただ驚き神秘を探る
この盛夏、
蝉の声を初めて ....
そっちには
あると想うよ流れ着く
流木みたいな海辺の灯篭
あまりにも
ゆるりゆるりと進むから
見逃しそうな塀の舞舞
潜んでる
顔には出せないゼツ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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