幸福の置き場所は
海のにおいのするところ
大事な言葉が生まれたところ
風がとおりすぎて
小さな駅におりると
細い道の向こうがわ
手に持った荷物の
不安定な重さが
私であることの証
閉じられた胸の窓をあけて
見なれた街を飛びだしてゆく
いくつかの思いを捨てて
闇の向こうがわを見る
痛みをこらえても
新しい空気を吸い込むために
歩き続けたい
古い電車を降りた....
世界、君という存在だけを胸に抱いて
何も知らずに生けるなら
其処がきっと
{引用=楽園}
赤い屋根までのびるものが蔦葉であり
方解しないように白い壁に這わせたのだ
おとうさんの書いた詩を
おかあさんの書いた詩を
小さな僕は
理解できないでいました
船旅は航海と後悔
遠く見渡す僕は航海士ではないのだけれど
あなたたちを繋ぐ船でした
彫られた表札の深さが傷の
かみそりの様な万年筆で書かれた原稿により
きちんと整理された筆入れは
食卓から落....
あの丘に建つお菓子の家は
幸福だけでできていた
パステルカラーと甘い匂い
君はいつだって笑っていたね
だから君が
あの家を出るときに見せた
心底悲しそうな顔が忘れられない
あれから幾月が過ぎ
あの家は丘の上に建ったまま
君は誰も知らない空へ
ふわりと浮かんで星になった
丘の上できらきら
一番きれいに輝く
「降りてきてお菓子の家を食べようよ」
と誘....
散歩して
野原で見つけたんだ
何か丸くて四角で三角で
何ともいえない奴
君ととも
一緒に生活して
何か嬉しく昨日と今日も
毎日が楽しくて
落ちていた
君と僕の幸福
とても小さい小さい私達
明日は何処に行こう
私たちは消えません
私たちは去りません
繰り返される福祉が、
新しく歓迎の声を受けて――、
福祉は、いくつもの、与えられた菓子を食べる。
なかには、埃を被っている、
国民精神総動員要綱も、
遠くに、ちらついて揺れている。
埋立地の産業道路を、通信簿の優秀な◎をつけた、
大型トラックが、ごみ処理場にすすむ。
騒音を上げるたびに、一房の飢餓が、こぼれおちる。
その吐いた息が、静かに、
夏の精気を逞しくした地図....
遅れてやってきた七夕鉄道
そいつの名前はスリーセヴン
奇妙なハイウェイの上
転がり続ける車輪の下
硬く錆びたレェル
鈍く光り悲鳴を上げるが
砂利や車輪との繋がりを諦めずに
時折
冷房から滴る水をかぶり
笑う
数週間かけてつくった
富士山の大きいパズルも
遂に最後の1ピース
・・・というところで
頂上のましろい1ピースが
無い・・・!
わたしは探す
目を血走らせ
床を這い回り
椅子を転がし
絨毯をめくり
(半開きの窓から
(青い鳥
(緩やかに翼をひろげ
(雲のない空へ
疲れ果て
トイレに入り
ズボンを下ろし
腰....
ひとの名前は
幸福しか待っていないような
そんなものばかりだ
ニュースの犯罪者や
事件の被害者のそれは
いつもそんなことを語りかけてくる
無用のちいさき者どもよ
この火のリレー
続けてゆこうじゃないか
ひとの名前は
幸福しか待っていないような
そんなものばかりだ
ニュースの犯罪者や
事件の被害者のそれは
い....
幸福になりたい
そして、はっとする
幸福ってなんだ
いまは幸福じゃないのか
だれもがよく思う
そんなことを思い歩いている
夜も
涼しくはなくなった
どこからか
鈴の音がきこえてくる
風鈴ではない
どこからか
真っ暗いところから
幸福になりたい
そして、はっとする
幸福ってなんだ
いまは幸福じゃな....
無いものねだりなんだ、僕らは。
今ここに無いものばかり欲しくなって、追ってしまう。
冷めた日常のなか、本当に大切にすべきものどこかへ見失っていく。
衣食住足りていれば、ヒトとして十分なはずなのに、
今や、お腹がいっぱいでも、僕らは幸福になれない。
ささやかな日常に鈍くなった心が、満ち足りない寂しさで僕らを駆り立てる。
空しさを埋める糧を、僕らに追い求めさせる。....
この世は

不完全なところだ

だが、不完全なものを

うつくしいと思えるこころを

ぼくらは持っている
「いつか」のために
笑っていよう
わたしがしあわせに笑っている
そこに、あなたのしあわせがある
そう、あなたが言うのなら
わたしは笑っていよう
この手をはなす「いつか」まで
笑っていよう
{引用=
彼女にしか作れない君の幸せがあるんだよ
きこえますか?
あなただけが作れるわたしだけのしあわせがあるんで....
幸福な女優は、金持ちの男を好んだ。
或る日のことである。
彼女は都内の高級ホテルで、大富豪のF氏と寝ようと試みた。
F氏は、83才。無論、機能しなかった。
―夜が明けた。
それ以降、彼女が、金持ちの男を好むことはなくなった。
幸福な女優は、知的な男を好んだ。
或る日のことである。
彼女は、都内の高級ホテルで、日本で一番偉い教授と寝ようと試みた。
教授は、何故だか、夜には、....
自身が創価へ入会したとき
先生はスピーチで幾度となく
このことに触れられて
論陣を張られていた
聖教で何度この言葉を聞いた事か
その言葉が今
この身に染み魂に響く
足元の最小の人間関係から
大は国と国の関係まで
全ての人・組織に普遍的な大原則
「人の不幸の上に自分の幸福を築くじゃあない」
響き渡る声は
自身の血肉となり私の言葉となる
....
{ルビ門=かど}ごとにあふるる花を競ひ合ふ住宅街を光貫く
やはらかき茎裂けながら薔薇の芽のあたらしき肉色に生い{ルビ出=い}づ
腐りつつ笑ふ黄の花雨受けてプラスチツクの鉢膨張す
恨まれてゐるかもしれず何色に咲くかわからぬ薔薇の芽の萌ゆ
王のゐることはあるいは安らけしいつか廃墟とならむ宮殿
一国をなしたるがごと薔薇の木の茂りゆたかに蕾ふふみぬ
グラジオラス!滅びし....
静かな時間が流れ
私はひたすら描くことに没頭する
内から外へでては
夢が現実へとかわっていく
いつしか部屋にはたくさんの和音が満ちていた
不協和音をところどころいじり
あえて残してみたりと
自分の音楽をつくった
手をとめ
壁に背をもたれて
全身で音を感じた
そしてそのまま
心地よい眠りについた
干乾びたあたしに雨は降らない
必要とする者には
与えられない不条理
でも知ってた?
幸福って身の丈に合った分しか
与えられないんだって
つまりあたしは
干乾びていて丁度いい
はじめから雨なんて
夢見ちゃいけなかったんだ
「おまえ暗い」
と言われた
ニヤッと
したら
「気味が悪い」
と言われた
暗闇にも
目が慣れて
僕だけには
見えるんだ
あいつらが
いる
一人じゃない
から
「だれと喋っているの?」
なんて
決まってる
じゃないか
だから、
ぼくは
幸福なんだ
幸福なんかに
なってしまったんだ
声を聞かせて
何も言えず
全てが見えなくなる前に
あなたが見ている
感じているものが
すべてじゃないと
早く気付き
自分の
幸せ
を考えて欲しい
私はあなたと
おちても良い
けれどそれは
あなたが望まな....
静けさの中に幸福を見つける
幻聴も不安な要素も何もない世界
命が永遠に感じられる
眠りの崖がすぐそこまで来ている所
僕は安心して墜落できる
車の走り去る音も二階を包む異様な空気の流れも通気口の音も隣人の話し声も外の風の唄もみんな心の中に穏やかな感触を残していく
世界は透明な世界に変わっていったようだ
自意識過剰気味の僕を決して責めず世界はゆっくりと僕を受け入れていく....
春の気配に恋、を思えば
こころが羽根を持って
菜の花畑の上を旋回する
拙い愛情が
地球上のすべてだったあの頃に思いを馳せると
おぼろに陽炎は立って
咲き競う花の匂いが
わたしを空の懐ふかく吸い込んでゆく
瑞々しい若葉のしたで
くちづけを交わしたとき
薄目を開けた視界の端に
見て見ぬふりで咲いていた、
菫やシロツメクサを忘れていない
木漏れ日の模様が落ちた下....
幸福は青いガラス瓶の中
無理に蓋をこじ開けようとしても
ダメだし
開かないからといって
投げてしまったら
壊れてしまって
二度とは元通りにならない
幸福の詰まったガラス瓶は
やわらかい土の中に
半分以上埋まっていて
つめ草の明かりで
ぼんやりと
青く鈍く光る
だから夜の間に
その青い光を
探すんだ
遠くからじゃ
にじんでしまって分からない
その光を探して
三月....
今日もロボットは、パソコンの前に座り、スパムメールを送り続ける。
休みなく、こつこつと、プログラムされた通りに、適当な言葉をくっつけて、色々な国や人にメールを送る。
「主人が出張がちでとても寂しいです。どなたでもかまいませんので、こちらにメールを下さい。秘密厳守いたします。美里」
「誰かのぬくもりが欲しいって、ヘンですか・・・・?好きあっていなければ、一緒にいてはいけないんですか・....
テレビの上に並んだ二つの観葉植物のヴァランスが悪い
テレビが斜めになってるみたい
黒い画面に映るあたしも斜め
のっかっている台も斜め
フローリングの床も斜めだし
白いご飯食べるテーブルも斜め
洋服ダンスも斜め
本棚も斜め
本がほら、
傾いて、
一番左にある
谷川俊太郎の詩集が
落ちちゃう落ちちゃう
....
知ってるかい
あの娘は鰐から生まれたんだって
笑っちゃうだろ
だけど本当なんだ
こう鰐の腹をナイフで裂いたら
人間の赤ん坊が出てきたんだ
しかもその鰐公も
生まれたばかりの赤ん坊だったんだぜ
な?
笑えるだろう
初めての流動食はせっかくだから
その鰐をミキサーでやわらかくして
食べさせてやったんだ
別に俺が世話をする必要なんてまるでないさ....
ストーブのうえで
かたかたと音をたててお湯が沸く
カルキ臭は抜けたけど元をたどれば水道水
だったそのお湯で
インスタントコーヒーを入れる
(特価980円のエクセラ)
明日の朝は8時から仕事なのだけど
なんでだか寝損ねたし
実は眠る気もなかったりする
死んだひとの歌声を連続再生しながら
隣室からきこえるいびきに少々辟易しながら
ちっとも返事をよこさないやつにメールを送る
返事....
欲しかったものを手に入れたとたんに
他のものが欲しくなる
判ってはいても止められない
「欲しい」には夢と希望が満ち溢れ
手に入れた後には虚しさが残るだけ
(捕らえた獲物には…なんて言い訳がましく
それでも彼女と腕を組んで街を歩けば
他の誰かに目移りしてしまう
幼い頃お年玉で買ったプラモデル
兄弟喧嘩でその日の内に壊してしまった
買いたいものが欲しいのではなく
買う行為に憧れて....
幸せさえも幸せな
僕等遠くへ跳びもせず
流れるように時は過ぎ
いつかどこかへ着きもせず
川の流れの濃淡も
幸せさえも幸せな
出会う事さえ幸せな
僕等明日から逃げもせず
振り返る事を罪と知る
川の流れの気まぐれに
昨日の歌の理由すら
幸せさえも幸せな
さよならさえも幸せだ
僕等別れを待っている
時に楔を打つように
枯葉を靴で蹴りながら
昨日の歌の涙....
幸せです
あなたがいて
私がいて
食事をできることが
幸せです
あなたが食す物と
同じ物を
私も胃の中に
入れている
本当はそれはとても好きだけど
あなたが残すなら
私も残します
少し早めにあなたは食べるけれど
それに合わせて口を動かすのが
とても幸せです
私はあなたより
少しだけ小さいから
同じ量を食べても
....
タイトル「幸福」の検索結果
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
幸福の置き場所西尾自由詩707-9-17 19:18
無知は幸福完食自由詩107-8-15 3:09
幸福の木〜飛砂鯨 勇魚自由詩607-7-22 10:07
幸福な家衿野果歩自由詩3*07-7-20 23:56
落ちていた幸福生田 稔自由詩6*07-7-15 23:45
幸福のデッサン——デッサン前田ふむ...自由詩31*07-7-12 6:52
挫折経由 幸福行 最終列車虹村 凌自由詩0*07-7-9 0:13
幸福のピース 服部 剛自由詩8*07-7-8 19:58
幸福しか待っていないような吉岡ペペ...自由詩107-7-7 19:18
幸福吉岡ペペ...自由詩607-6-14 4:00
「幸福の定義」和 路流...自由詩007-6-6 14:31
幸福吉岡ペペ...携帯写...707-6-4 0:52
幸福の内のいつか 改逢坂桜自由詩13*07-5-31 21:25
幸福な女優蔦谷たつ...自由詩10*07-5-13 1:39
人の不幸の上に自分の幸福を築くんじゃあないアハウ自由詩1*07-5-1 14:33
幸福の廃墟渦巻二三...短歌207-4-27 11:04
幸福な時間優羽自由詩2*07-4-20 20:06
幸福論衿野果歩自由詩5*07-4-16 13:32
幸福043BLUE自由詩107-4-12 1:22
希望を、幸福を蓮未自由詩2*07-4-8 19:39
静けさの中の幸福はじめ自由詩2*07-3-22 5:44
いつか空から幸福が降る銀猫自由詩32*07-3-21 22:31
幸福は青いガラス瓶の中ジム・プ...自由詩307-3-16 15:37
メールロボの幸福ふるる散文(批...12*07-2-2 17:26
だからあたしは幸福の木を殺したの砦希(ユ...未詩・...5*07-1-19 2:29
幸福な鰐なかがわ...自由詩2*06-12-29 0:07
幸福についてのモノローグ佐々宝砂自由詩3*06-12-26 1:28
幸福と言うこと恋月 ぴ...自由詩28*06-12-25 22:52
幸福肉食のす...自由詩406-12-10 11:23
幸福な食卓なかがわ...自由詩4*06-11-18 2:33

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