からんころん
汗のかいたグラスから、人差し指はねて
眩んだ足元にこぼれた梅のお酒
冷たい床は、 ....
ゆらゆら舞う はなびら ひとつ
音を立てて溶けるグラスの氷 ふたつ
いそぎすぎて ....
どんな微妙な色づかいでも
突き詰めると
三色になるらしい
あか 青 黄色だったか
突き ....
この古びた階段を登ってゆけば
あの宙空が待つだろう
*
何処までも細く真っすぐな ....
あなたがきて
雨がふった
かなしくはない
幸せでもない
木が ....
その途中で
錆びた窓は停まった
おおきな 古い瓦屋
やすでたち ....
花でもない なんでもない 碧き苔
土に落ち
ひっそりと咲く
世に咲く何ものであっても ....
CATVの24時間ニュースチャンネルを
リアルタイムで
最初から最後まで見ていた俺としては
日 ....
ワイングラスのうつろのなかで
ひらひら泳ぐは真っ赤な金魚
君がぱららとこぼす言葉を
一生懸命ぱ ....
春の終わりにね
あの空洞は何だろう
がらんとして
そこだけ日があたっている
ひだまりだ
こ ....
ぐるりぐるりと転回する部屋で
私は少しずつ分解していく
痛みは窓にへばりつき
記憶は本の隙 ....
ふわふわしている きみ と
ふわふわしていない ぼくが
同じ にんげん であることが ....
三角の家に屋根がないのは
甘い香りを街へ届けるため
少年少女が遥かな距離を行く
原宿はまる ....
水無月:おかえりだけで埋まってゆく
二年振りに帰ったときには通夜はもう始まっとった
大往 ....
屁の音ほど
他人を不愉快にし
本人を愉快にするものはない
朝早くからワイフが
「プー!プー! ....
2度目の心臓の手術をして退院する時に
「先生,3度目はあるでしょうか?」
と尋ねたら
「わかり ....
波打ち際で
傾いたままの計測器
どこからか
聞こえくるうた
鉄で ....
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