天衣無縫/相良ゆう
ある日 空から降りてきた天女が落していったものは
見えない糸で紡がれた 不思議なふしぎな羽衣でした
その羽衣をひとたび身にまとうと
至福をもたらす 天上の舞を踏むことができるのです
羽衣を身にまとい 舞を踏むと
心は悠久の天上(そら)へ 解き放たれて
やさしさに包まれたときも かなしみに暮れたときも
未知に出会った少年のような 冒険(ロマン)に心躍らせたときも
現実よりもつらいゲンジツに心を塞いだときも そのまた逆のときも
すべてのときは よろこびに満たされていたと 思えてくるのでした
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