読者だって赤い靴を履く/佐々宝砂
、ボルカさんの言葉を借りれば、詩人として「赤い靴」を履いたことのない人間だが、読者としての私は、完璧に「赤い靴」を履いていると思う。私は私を制御できない。そこに活字がある限り、私は読まざるを得ない、なにがなんでも、読んじまう。
だけど最近、無理がでてきた。世に文字がありすぎるのだ。私は読むのがはやいですよ、ものすごくはやいです。私よりはやく読むひとを私はほとんどみたことがない(これまで一度だけある)。その速度をもってしてもこの活字の山は読み切れない。無理とゆーものだ。でも私は読む。読まざるを得ない。そういうふうにできている。しかし若くないのでぜーはー息がきれる。あれもこれも読まねばーうがー、
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