記憶の断片小説・ショートシネマ 「ロイド」/虹村 凌
いて、
校舎も随分と離れているので、滅多な事じゃお互いの学校には行かない。
文化祭は、その数少ないチャンスの中のひとつである。
別段、女の子を引っ掛けに行った訳じゃない。
友達の彼女が、その女子校に居て、友達が遊びに行くというので、
何人かで付いて行っただけの事だ。
すまん、嘘だ。俺はその友達の彼女目当てで、遊びに行った。
もうひとつの「記憶の断片小説」には書かなかった事だ。
今、思い出した。
そう、僕らは彼女達の母校である学校の学園祭に、遊びに行ったのだ。
そこで、僕とロイドは初めて出会ったらしいが、記憶に無い。
きっと、僕は友達の彼女に気を取られていたんだろう。
そ
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