記憶の断片小説・ショートシネマ 「ロイド」/虹村 凌
ない。コンビニで適当に買った何かだったと思う。
僕は、ライチの箸の持ち方が変だと指摘して、
ロイドと二人がかりで、ライチの箸の持ち方を矯正した。
「まるで、新婚夫婦の家に遊びに来た友達…って気分だわ」
ライチは笑いながら言った。
僕はかなり嬉しかった。ロイドの反応は覚えていないけど、
少なくとも嫌がっては無かったと思う。
次に思い出すのは、僕達が花火を買いに行った事だ。
誰の提案だったか覚えていない。ライチだったと思うけど、確かじゃない。
けれど、確かに僕らは花火を買って、ロイドの家の屋上てやったのだ。
ネズミ花火をやって、キャッキャ言って遊んでいたのを覚えている。
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