哀しみ皇子(7)/アマル・シャタカ
 
にねえ・・・いまどき珍しいなあ」
感心したように太郎さんはいうけれど、そんなに珍しいのかなあ
でね、職人のオジサンが、涙にやさしさが加わらないと宝石にならないっていわれたの
それがぼくにはわからないのね
オジサンは、皇子にならきっとわかるっていってくれたのだけど
「なるほどなあ、そういうことかあ
皇子、今日はうちに泊まっていきなよ」
え?太郎さんところに?
「ああ、あいつにも皇子を紹介してやりたいし
ひょっとすると、その優しさの涙ってやつのヒントになる話をしてやれるかもしれんから」
どうしよう?こんども列車の発車時刻がよくわかんなくて
「二人の時間思い出のアルバムってやつだろ
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