哀しみ皇子(8)/アマル・シャタカ
 

そして、ぼくの頭と手の中の哀しみをそっと撫でて
「よく来てくれましたね」
なんていう
ぼくはちょっと、しばらく会っていない、かあさんを思い出したよ

「あなた、お風呂の用意が出来ていますから」
「ああ、そうか、ありがとう、皇子、君もいっしょにどうだ?」
あ、いえ、その、ぼくはお風呂が苦手なので・・・・
「あははは、なんだそりゃあ、まあ、いい
お?お前は来るか?」
ぼくの手の中から、哀しみが太郎さんについていく
え??お前、お風呂に入るのか?えぇ??
ホットな哀しみになってどうするのさ!
という、ぼくの問いかけは無視して、哀しみの奴はご機嫌でついていった
ぼくはあいつの
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