signal/さくらほ
 
君の背中から羽ばたきの音

目じりの皺が優しさの日だまり 私だけにと願ってはならぬ

赤い糸も銀のリングも要らぬからもう少しだけ季節が欲しい

明け方の冷たい雨が残る街 傘の波に飲み込まれていく




many times

冬のバイクはキツイと凍えてる君抱きしめて解凍する朝

聞き取れぬ声を「何?」と頬寄せ来る それがいいから声は張らない

小首曲げて長身の君が上目遣い その目も頬も全て欲しい

甘えんぼ幼き顔で「いいの?」って そう問われたら答えは一つ

あーどうせ俺はエロだという君の笑顔の犬歯に愛しさが増し

暗がりで重ねしものを胸に秘
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