21、霧 【きり】/雨宮 之人
 
漂う 粒子
温度差で 現わし
白き 霞
視界 狭まり

伸ばした 手の先
じんわりと 湿る
春秋(はるあき)の体感温度
水 それにしても水

姿変え 移り変わる
形変え 巡りゆく
ひとつの顕現 命を浸して

不安と 安らいだ
期待と 裏切った
輪郭線は 白く溶け合って揺らぐ
   グループ"字書きさんに100のお題"
   Point(2)