44、ソファー 【そふぁー】/
雨宮 之人
革張りの
使い込んだ光沢の黒い
二人用のソファー
そこへ 少し沈み込んで
感動に不感症の夜
僕は孤独を気取って
コーヒーを片手に
読書をする
包み込まれた
文字はただゆらゆらと
不鮮明に かたどられていき
僕をおいて 文字は飛び去った
何もないツヤの中へ
ほとほとと絶える 足音を奏でて
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