55、自転車 【じてんしゃ】/
雨宮 之人
息を切らして
汗を流して
漕ぎだす足 右、左
急な坂道、狭い路地裏 朝夕に
駆ける、駆ける
風になって
走る、走る
廃線の 鉄道の跡道(あとみち)
青い背中に
いったい僕は何を背負って
考えもしないで ひたむきに今日を
雑踏を追い越して
自分だけの場所を探して
焦がれる様に、ペダルを踏みしめて
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