56、待ち伏せ 【まちぶせ】/
雨宮 之人
その言葉は 曲がり角の向こうで
待ちわびている
貴方が そうやって話す
その 頭か何かの中で
今か 今かと
あの角の向こうから
今 来るかと
その言葉は 焦がれている
腰掛けたガードレール
暮れて伸びる影
何処までも伸びて うなだれた貴方まで
気付かれているのも知らないで
のんきに待っている
貴方が駆けつける その時を今も
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