67、扉 【とびら】/雨宮 之人
目の前にするとき
まるで舞台上で スポットライトで
照らされているように 私たちは
鍵なんて探して ポケットをまさぐって
見上げれば月が明るくって
まるで孤独で 砂漠のただ中にいるみたいに
どこでもドアなんて
これは そんなに大仰なもんでもないさ
ただ開かなきゃ先に進めないって
先生はそんな風に言っていた
開ける気にならなくても 私は色々と考えている
自動じゃないよね いくらでも便利になる時代だけど
目の前にするとき
どこと繋がるのか楽しみでいつまでも眠れない
前 次 グループ"字書きさんに100のお題"
編 削 Point(5)