雨乞い/伊月りさ
 
つかれるために
よせて、よせて、と叫んだ
のはわたしたち
の だれ
の 音 なのかな、
もっとも高く
響きとられたいらしいが
 ひいて、ひいて、
  灰色の空は
白と黒によって成っている
その隙間を叩く
狡猾なうたに
 よせて、よせて、
雷を落とす
なんて きみたちの思惑通りだ

ゴキブリだって一滴の水が必要なんだ
という時差式信号機のような
わたし
の 群れ
であることを言い訳に
   シュラリモン・キン
   シュラリモン・キン
   シュラリモン・キン
と 雨乞いは続く
それは 濡れるためか
それは 砂にまみれるためか
それは くろーっぷ
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