【短歌祭】シンビジウム・ホワイト・ラバー/ピッピ
服来てローソンの壁に寄り添えば降ってる雪も味方にできる
あたたかいガラクタはない目が張って眠れないよと埋立地の上で
街灯のなくなった道何がクリスマスだペプシのプルタブあける
季節には似合わない色赤緑黄色人々歩いたり止まったり
若過ぎた 誰かの心を傷つけて通り過ぎてく颪のように
さかさまにおちる少女の夢を見たこれから何になればいいだろう
幻想はマッチを売った子のように独りの部屋に浮かんで消える
春のような笑顔を見せて君は死ぬいつか死ぬから僕も笑った
雪の精はかき氷器の内側で真冬に溜めた血を吐いている
間違って後ろの足で夏の日を踏んで壊していた冬の朝
夏、遠くのものが見える 冬、近くのものが見える鋭い世界
さよならを使わなかったよ 手を離すばかりの季節に取っといたから
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