【短歌祭参加作品】ゆめのなかのこいびとたち/ピッピ
夏をつれてくる妖精がいないから冷やし中華を初められない
泣きながら闇夜に響く帰り足コンクリートは夏(プール)の青み
ウェディングドレスの中で夏に埋む指の日灼けを抱いて遠くへ
もう蛇と同じくらいの長さだね夏(墓地)の隣に住む君の舌
夏(温泉)のあの時あたし同性も好きなんだって水風呂の中
白夜だね、指差せば昼間の陽はゆれて世界がなくなる前兆のように
逃げているのか逃げられているのか風を知らない夏(蚊帳)のしずけさ
youのbe動詞を忘れていつまでも夏(冷凍都市)の手を離せない
太陽の周りを回る惑星のように海岸沿いはまぶしく
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