「批評」の「根拠」について/ななひと
 
「批評」とは批評の対象の表現を「つまりこれは(私が考えるに)〜だ」という文に変換するという行為である。非常に単純な行為である。こう言うと、「批評」はそんなに割り切れるものじゃない、という反論がでるかもしれない。もちろんこれは過度の単純化である。しかし問題はその「=」の内実にある。なにをもって二つの別の文を「言い換え」ととらえることができるのか。こちらは逆にそんなの簡単じゃないか、と言う方もおられるかもしれない。しかし物事はそう簡単ではない。だいたい、モデルとしてもってきた数学的な意味での「=」は確かな根拠にささえられた概念かというと決してそうではない。1+1=2ということを証明しなさい、と言われた
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