詩の言葉と拘束具/ななひと
 
た、言語のもつ、行為遂行性、指示対象性を失わせるのは、その言葉が属している領域が、そういうものとして定義づけられているということを、私たち自身が、まったく当たり前のことだと前提しているから起こることだといえる。
しかし、それならば、我々が、何らかの原因で、こうした約束事をすっかり忘れてしまったとしたら、どういうことがおこるだろうか。
窓を開けに行くのはもちろん、それよりまっさきに、人々は「どういうことがおこるだろうか。」という問いかけを、自分に向けて向けられた問いであると考え、答えなければならないという義務をおってしまったかのように思いこむことだろう。
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