PIGSTY?/暗闇れもん
 
に気付いたのか、少し声のトーンを落として言った。
「ねえ、何があったの?私には話してよ。ねえ」
私は普通の家に生まれ、優しい両親に愛され、何不自由無い生活をしていた。
でもそれは昨日までのことだ。
まだあのことは外部には漏れていないらしい。さすが金も権力もあるあいつは違う。そう思うと知らず知らずのうちに唇を噛み締めていた。
私が今無事にいるのは、あいつが並外れた快楽殺人者だからだ。あいつは、私をワザと怯えさせ、逃がして、最終的に追い詰めて殺したがっている。狩りだとあいつは言っていた。
『逃げろ。もっと怯えた顔をしろ。その方が殺した時の興奮が大きい』
あいつの言葉が甦り、吐き気が込み上
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