PIGSTY?/暗闇れもん
食事が与えられた。
最初、ある異変に気付いたのは洗濯物を干すために屋上に訪れた看護師だった。たった一つの青いバケツに無数のカラスが群がっているのを不審に思った彼女はそれに近付いた。
近付く度にもう二度と嗅ぎたくないと思わせるような腐敗臭が鼻をつき、吐き気が全身を襲った。それでも何故か足を止めることは出来なかった。怖い物みたさだったのかもしれない。
そして彼女は目にした。バケツの中で小さくなった斉藤可奈さんの成れの果てを。
次にある異変に気付いたのは入院患者の一人、金瀬正彦(当時83歳)だった。彼は、肺炎を患い入院していたが経過が良好で数日後には退院できると言われていた。
彼は十数年前まで
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