PIGSTY?/暗闇れもん
 
軌を逸した声に怯え、私は逃げた。逃げてしまった。
背後では騒ぎを聞きつけて現れたあいつが、お父さんに馬乗りになって殴るのが見えた。
罪悪感が私を苦しめた。
寝床に決めた公園の遊具の冷たさが体に突き刺さった。もう帰る家も無いのだと知った。
何度も寝返りをうつ。目を閉じて出来た暗闇の中にさえ、あいつの笑顔が現れてきそうで怖かった。
そして夜が明けた時、私は最終的にある考えに至った。
「ね、聞いているの?」
直子の声に顔を上げた。私は微笑んでいた。
「うざいよ」
私は、あいつに一人で立ち向かうつもりだ。


   グループ"壊した世界"
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