青空の公園で、僕は一羽のカモメだった/ベンジャミン
 
芝生を背にして仰向けになれば
溜息をこぼしても落ちることのない

空がある

青を吸い込んだ瞳を閉じると
そこには海が広がっていた


青空の公園で
僕は一羽のカモメだった


陽を跳ねて波打つ水面を
白い背中をぴんと伸ばして
ぎりぎりの角度で低く飛ぶ


青空の公園で
僕は一羽のカモメだった


手を広げても風を抱くこともなく
器用に輪を描くこともできない
それが現実だとしても


青空の公園で
くわっと小さくあくびをすれば


潤んだように滲んだ青が
海に向かってこぼれても
それを涙のようには流さない


僕は一羽の
鳴かないカモメだった


     
   グループ"タイトル長いー詩"
   Point(11)