青空の公園で、僕は一羽のカモメだった/ベンジャミン
芝生を背にして仰向けになれば
溜息をこぼしても落ちることのない
空がある
青を吸い込んだ瞳を閉じると
そこには海が広がっていた
青空の公園で
僕は一羽のカモメだった
陽を跳ねて波打つ水面を
白い背中をぴんと伸ばして
ぎりぎりの角度で低く飛ぶ
青空の公園で
僕は一羽のカモメだった
手を広げても風を抱くこともなく
器用に輪を描くこともできない
それが現実だとしても
青空の公園で
くわっと小さくあくびをすれば
潤んだように滲んだ青が
海に向かってこぼれても
それを涙のようには流さない
僕は一羽の
鳴かないカモメだった
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