ゆきのおと/北乃ゆき
ゆうぐれすぎの
ゆきのなかを
かあさんと
あるいています
いえをでてから
ふりはじめたゆきが
もう
まっしろに
つもっている
どこまであるくのか
いつまであるくのか
ぼくには
わからないけれど
ただ
ただ
ゆき
が
ふるなかを
ふたりで
あるきます
ときどき
たちどまるかあさんが
かじかんだ
ぼくのてを
にぎりしめる
かあさんも
てぶくろをつけていないから
こおったてが
よっつ
かさなりあう
ゆきが
ふる
ゆき
が
ふる
まえをあるく
かあさんに
こえをかけても
へんじはなくて
ゆきだけが
ふりつもる
きしきしと
ゆき
を
かけわける
おと
が
する
しんしんと
かあさんと
ぼくの
かたに
ゆきがつもる
おと
が
する
きたみちも
ゆくみちも
なくて
ゆきの
おとだけが
きしきしと
しんしんと
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