薄紅桜物語/三架月 眞名子
、あのお方に会えないこの世に、
いつまでもしがみ付いている理由などどこにありましょう。
桜の君が思い出してくださったところでなにになりましょう。
二度と愛し合うことも、寄り添うことさえできないのですよ。
それは身を切るより辛いこと・・・
そう、
わたくしのこの病は、どんな良薬を飲んだところで治るはずもないのです。
わたくしはもうすぐで息絶えるでしょう。
―そんな、そんなことを・・・
そんな悲しいお顔などなさらないで。
こんなお恥ずかしい身の上話をあなたにしたのは他でもありません。
あなたにお願いがあってのことでござ
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