シンデレラとベンジャミン/ベンジャミン
くしながらガラスの靴を手に取ると、夢で見たように街へ繰り出した。シンデレラストーリーの始まりを予感しながら、ガラスの靴をかかげて歩く。すると、やはり同じように見知らぬ女性(仮称シンデレラ)が立ちはだかるではないか、僕はもう本当に嬉しくなって、はやる気持ちを抑えられずに、ぽきっといきなりヒールを折ってしまった。バシッ!、、、シンデレラはシンデレラらしからぬ力強さで僕を平手打ちにした。そして泣き崩れる、僕は一瞬たじろいだが、すぐにあたりを見回してかぼちゃの馬車を探したが見当たらない。しまった!!!これはやっぱりシンデレラストーリーなんかじゃなかったんだ!!!僕は愕然として、手に持ったままのガラスの靴と
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