「少年と星座盤」 (物語・・・短編)/ベンジャミン
 
ずいてみたりしながら細い路地の中に吸い込まれてゆきました。僕はそれを見失わないように、少し急ぎ足でついていったのですが、それを知っていたかのように、少年は曲がり角の奥まったところでこちらを「じっ」と見つめ、見つめるだけにとどめて小さな商店の中に入ってしまいました。
僕は、これはいったい何かの悪戯のたぐいかと不安にもなったのですが、少年はその小さな商店から袋いっぱいのお菓子を詰め込んで出てきたので、僕はいてもたってもいられずに、
「やぁ、君はその星座盤が読めるのかい?」と、たずねてみました。すると少年は、「ふっ」と笑って何も言わないまま歩き出してしまったので、僕はいっそう気になって、
「やぁ、
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