創書日和「歌」 お憂偽うた/大村 浩一
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徒らに笑おう
僕らが苦心して果たそうとした事は
どうやら徒労に終るようだから
中味の無い箱が産業道路を溢れ
空疎な前向きの歌がチューブを溢れ
考える事をしなくなったひとたちが
チョイト手を伸ばせば何でも手に入ると思い込み
そのくせ その手を硝子棚へ伸ばそうとはしない
実際に手を伸ばしたひとは
お笑いの片割れみたいに
手早く奈落へ叩き落とされて姿を消す
「望みを抱いた」という理由で
これで鳥瞰−俯瞰の構図は
ますます完璧になる
それを隠し御魔化すだけの
改竄されたMy-Revolution
誰か言わないのか こんな歌は
もうたくさんだって
僕が聞きた
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